米国ETFでは、米国株式市場全体に幅広く投資を行う「VTI」、S&P500連動の「VOO」が人気です。
米国ETFと聞くとむずかしそうに思えるかもしれませんが、実際には投資初心者向けだと思います。英語能力は特にいらないですし、市場が成長しているからです。
もちろん、絶対に儲かるわけではないことは理解しておいてくださいね。
この記事では、投資家税理士 坂根が解説します。
ポイント
以下の記事でわたしも使っているSBI証券の口座開設手順を画像付きで解説しています。
証券口座を開設したい方は下記の記事をご覧ください。
関連記事:【比較】証券会社のおすすめはどこ?口座開設の流れを解説
米国ETFとは?
米国ETFの特徴は?
米国ETFとは、米国市場で上場されている投資信託です。
米国ETFの代表的なメリット(特徴)は次の2つが挙げられます。
- 1銘柄に投資するだけで数百銘柄に分散投資できる
- 一般的に手数料が非常に低い
米国ETF1つに投資するだけで、アメリカで上場している数百種類の株式や社債に投資してくれるため、かんたんに分散投資できます。
また、投資額に対して年間0.03%など、一般的に手数料が非常に低いです。手数料が低い理由として1つ挙げられるのは、アメリカには、次の世界3大資産運用会社があるからです。
- Black Rock(ブラックロック)
- Vanguard(バンガード)
- State Street(ステート・ストリート)
各社それぞれ競い合い、手数料の引き下げ競争が行われていますので、投資家からすれば低コストで分散投資できます。
米国ETFのおすすめ銘柄は?
何を買えばいいかはその人の好みもありますが、よく取引される米国ETFとして次のものが一例として挙げられます。
投資対象 | ティッカー |
S&P500連動 | VOO、IVV、SPY |
米国株式市場全体に投資 | VTI (Vanguard Total Stock Market Index Fund ETF) |
全世界の株式市場に投資 | VT (Vanguard Total World Stock Index Fund ETF) |
高配当株に投資 | VYM (Vanguard High Dividend Yield ETF) |
高配当株に投資 | PFF (iShares Preferred and Income Securities ETF) |
NASDAQ100(ハイテク銘柄)に投資 | QQQ (Invesco QQQ Trust Series 1) |
金(ゴールド)に投資 | GLDM(SPDR Gold MiniShares Trust) |
もちろん失敗しても自己責任ですが、このあたりの銘柄は大きく失敗しにくいかと思います。
VOO、IVV、SPY
S&P500銘柄は、過去何十年にもわたって右肩上がりの成長を続けています。この何十年もの間世界経済を牽引してきたのは米国です。そのため、今後も米国市場が成長を続ける前提が崩れなければ、値上がりを期待できると言えます。
なお、この3つの銘柄はそれぞれ運用している会社が異なります。
VOOはバンガード、IVVはBlackRock、SPYはState Streetが運用しています。この中で言うと、SPYはどちらかというと機関投資家向けで経費率が高めのため、個人投資家はVOOかIVVが良いでしょう。
関連記事:VOOの配当金利回りは1%、配当金生活をするのはむずかしい
VTI
VTIは、米国市場全体に投資を行う ETFです。
VOOやIVVはS&P500連動を目指した銘柄ですが、VTIは、小型株や成熟株などを含めた米国株市場全体に投資を行います。
リターンとしては個別株のような爆発力はありませんが、米国市場全体に投資を行うため、このETF1つで銘柄分散は十分と言えるでしょう。
そのため、多額のリスクを背負いたくない場面では私も保有しています。
関連記事:VTIの配当金利回りは1%、VOOやVYMと比べた強みは?
VT
VTは、米国市場のみならず、世界全体に投資を行うETFです。
小型株、中型株、大型株どれも含むため、VTIより、さらに地域分散を行うことができます。
なお、世界全体といっても以下の図の通り、57.5%は米国株市場(2020年10月31日現在)のため、米国株中心になっています。
米国を中心に、世界に投資するのが全世界投資ETF「VT」です。
関連記事:【VT】全世界投資ETFの配当金利回りは2%、VTIとの違いは?
VYM
いえ、VYMも良い銘柄です。
VYMは高配当銘柄を集めたETFです。
予想配当利回りが市場の平均を超える銘柄をメインに組み入れることとされており、ジョンソンエンドジョンソン(JNJ)やベライゾン(VZ)、AT&Tなどの高配当銘柄が多く組み入れられています。
価格はそこまで安定していない印象がありますが、経費率0.06%で多くの高配当銘柄に分散投資できるという点においては、配当金目的の投資をしたい方にとっては良いETFと言えるでしょう。
他の高配当ETF「SPYD」や「PFF」と比べると配当金利回りが低いですが、株価はVYMの方が安定しています。
私も少しだけ持っています。
関連記事:VYMの配当金はいつ、いくらもらえる?高配当ETFによる資産運用
PFF
PFFもVYMと同じく高配当銘柄を集めたETFです。こちらは配当優先株式がメインのため、VYMより配当金は高めです。
また、配当金が毎月分配されるため、配当金生活に向いている銘柄です。
上図の通り価格は割と安定しており、その一方で高い配当金を受け取れるため、債券のように安定的収入を得ることが期待できます。
ただし、リーマンショックやコロナショックのように、何かが起こると価格はかなり下がっているという注意点があります。また、経費率は0.46%と、VYMと比べると少し高めです。
以前は持っていましたが、値動きがほとんどないので為替変動リスク等を考えると大してうまみが無いと思い、すべて手放しました。
関連記事:【配当金利回り4.2%】PFFによる配当生活は簡単に到達できる?
QQQ
QQQはNASDAQ100連動のETFです。
成長企業をメインに構成されており、Apple(アップル)、マイクロソフト、Amazon、テスラ、Facebookなどが多く組み入れられています。
配当利回りは0.5%程度と高くありませんが、ここ数十年で凄まじい価格の上昇を遂げています。
短期で見ると下振れすることも多いですが、長期的に見た価格上昇率の魅力から私も保有しています。
関連記事:最強ETFの一角?QQQの構成銘柄など資産運用に強い税理士が解説
GLDM
GLDMは、金(ゴールド)を買いたい人向けのETFです。
金は資産を減らさないための投資先の1つとして人気ですが、現物で金を保有すると、場所の確保など多くの手間やコストがかかってしまいます。
そのため、手間いらずのペーパーアセット(ETF)であるGLDMが選択肢に上がります。
金のETFというと「GLD」が有名ですが、経費率が0.40%です。GLDMは後発組のため、経費率が0.18%と低く抑えられています。
米国ETFの経費率とトータルリターン、配当利回り
米国ETFの投資コストはどのぐらい低い?
米国ETFは銘柄によって経費率が異なりますが、先ほど説明したVTI、VOOは年0.03%です。
一方で、日本でかつて一番売れた投資信託と言われている「グローバルソブリン」と呼ばれる銘柄は、購入時に1.65%の手数料、換金時に0.5%、そして年間1.375%の手数料がかかります(関連記事:投資信託で大損!?おすすめしない5つの理由を税理士が解説)。
明らかに、日本の投資信託より投資コストを抑えることができます。
米国ETFの経費率とトータルリターン、配当利回り
上記でご紹介した米国ETFの経費率とトータルリターン、配当利回りをまとめました。
銘柄 | 経費率 | 5年トータルリターン | 直近の配当利回り(税込) |
VOO | 0.03% | 16.15% | 1.57% |
IVV | 0.03% | 16.14% | 1.67% |
SPY | 0.09% | 16.08% | 1.65% |
VTI | 0.03% | 16.64% | 1.56% |
VT | 0.08% | 13.72% | 2.32% |
VYM | 0.06% | 11.25% | 3.30% |
PFF | 0.46% | 5.30% | 4.79% |
QQQ | 0.20% | 24.98% | 0.73% |
GLDM | 0.18% | - | - |
出典:Bloombergの情報を基に2021年3月7日作成
URL:https://www.bloomberg.co.jp/
上記を見てわかる通り、配当利回りは4.79%と、PFFが突出しています。ただし、5年トータルリターンが5.3%と低く、また、経費率も0.46%と高めです。
そのため、PFFよりはキャピタルゲインも狙えるVYMの方が良いかもしれません。
また、QQQはグロース銘柄(成長銘柄)が多く含まれているため、5年トータルリターンが24.98%と突出しています。
経費率の高さと配当利回りの低さは目立ちますが、この成長率は目を見張るものがあります。
そのほか、比較的安全にいきたいのであれば、S&P500連動銘柄のVOOかIVV、米国市場全体に投資するVTIといったところでしょうか。経費率も0.03%と非常に低いです。
おすすめの証券会社はどこ?
どこの証券会社で口座開設するかは、手数料などを考えると重要な問題です。ただし、多くの方はSBI証券などのネット証券で良いでしょう。
店頭の証券会社(野村証券、みずほ証券など)でなくても上記の銘柄はどれも買い付けることができますし、手数料が格安です。
また、上記のように、5年トータルリターンは5%~25%であり、今後も経済成長していくことを考えれば、早く始めなければ大きくチャンスを逃してしまいます。
以下の記事で、おすすめの証券会社や証券口座の開設手順を画像付きで解説していますので、これから証券口座を開設される方はぜひご覧ください。
関連記事:【比較】証券会社のおすすめはどこ?口座開設の流れを解説
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