定期預金は銀行員が積極的にすすめますが、定期預金はいまやデメリットの方が多いです。おすすめしないので早く解約してしまいましょう。
この記事では、投資家税理士 坂根が解説します。
ポイント
- 定期預金のメリット:元本割れしないこととペイオフの対象になっていることぐらい
- 定期預金のデメリット:金利が低すぎる、長期間引き出しができない、インフレに耐えられない
- 定期預金は解約してもほぼデメリットなし。もともと雀の涙の金利がほぼゼロになることぐらい。
- 原則元本割れしない年利1-3%の利息が手に入るFundsの選択肢もアリ
関連記事:【年利3%】安定利息収入Fundsの評判は?税理士が解説
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定期預金とは?「定期」の意味
定期預金とは、銀行法に定められる「預金」の一種であり、銀行に一定期間預けるお金のことです。
また、定期とは「期間・期限・期日を一定に決めてあること」(広辞苑)です。
普通預金であればいつでも引き出すことができますが、定期預金は数か月、あるいは数年間お金を預けることになります。
定期預金のメリット、デメリット
定期預金は、良い部分だけでなく悪い部分もあります。メリットとデメリットについて、ポイントを絞って解説します。
定期預金のメリット
定期預金には、次の5つのメリットがあります。
ポイント
- 普通預金より金利が高い
- 元本割れしない
- ペイオフの対象
- 絶対に手を付けないお金として貯蓄できる
- 手軽に申し込める
普通預金より金利が高い
定期預金の最大のメリットは、普通預金より金利が高いことです。
バブル時代は年利6%で、100万円預けたら翌年には106万円になっている、そんな時代もありました。
しかし、日本銀行の「預金種類別店頭表示金利の平均年利率等について(2020年11月18日)」によると、現在は普通預金の平均金利は年0.001%であるのに対し、定期預金は年0.003%となっています。
定期預金は普通預金の3倍の金利となっていますが、どちらも雀の涙です。
元本割れしない
定期預金は元本割れしない商品です。
元本割れとは、100万円預けて、0円になったり、99万円に減ったりすることが無いということです。
「当たり前」と思うかもしれませんが、世の中のあらゆるものは元本割れしない商品の方が珍しいです。これは大きなメリットと言えます。
ペイオフの対象
定期預金も普通預金同様に、ペイオフの対象になっています。
ペイオフとは、もし銀行が破綻した場合に、預金保険機構が1,000万円まで払い戻してくれる制度です。
「銀行が破綻するわけない」と思うかもしれませんが、1997年には都市銀行の1つである北海道拓殖銀行と四大証券の山一證券が、1998年には日本債券信用銀行が相次いで破綻しています。UFJやみずほなどのメガバンクであっても、いつか破綻する可能性は大きくあります。
通常であれば、銀行が破綻した際に預けていたお金がすべて吹っ飛ぶことになります。
しかし、ペイオフの対象になっているため、安心して銀行に預けることができるのです。これは非常に大きなメリットと言えるでしょう。
絶対に手を付けないお金として貯蓄できる
定期預金は、数か月から数年程、原則として引き出すことができません。そのため、絶対に手を付けないお金として貯蓄することができます。
そのため、お金がある分をすべて使ってしまう人は、定期預金を活用すればお金を貯めることができます。
手軽に申し込める
定期預金は、ほとんどすべての銀行で対応しています。
そのため、申し込もうと思えばすぐに預けることができるメリットがあります。
定期預金のデメリット
定期預金には次のデメリットがあります。
ポイント
- 金利が低すぎる
- 長期間引き出しができない
- インフレに耐えられない
- ペイオフは1000万円まで
金利が低すぎる
昔は、定期預金の金利が年6%を超える時代もあったようです。
その場合は、100万円が翌年には106万円に、10年後には179万円になります(金利6%の複利計算)。
それだけの金利を受け取れるのであれば、確かに定期預金はおすすめできる投資商品と言えるでしょう。
日本が預金大国なのは、かつて、このように高金利かつ元本割れしない定期預金があったからです。
ただし、いまはそんな時代ではありません。
いまの定期預金の金利は、たったの年間0.003%しかありません。
つまり、100万円預けても1年間でたったの30円しか利息をもらうことができませんし、100年預けても3,000円にしかなりません。
減りはしませんが、全く増えません。そのため、定期預金に預ける金利メリットは一切ありません。
長期間引き出しができない
定期預金は、原則として満期まで引き出すことができません。
そのため、お金を使いたいときに引き出せないという大きなデメリットがあります。
金利がたったの年0.003%で5年10年と動かせない資金にしてしまっては、いざお金が必要になったときに引き出せず、解約せざるを得なくなります。
定期預金に預けておくぐらいであれば、自由に引き出せる普通預金に預けておいた方が良いでしょう。
インフレに耐えられない
今の100万円が10年後に100万円の価値があるかと言われれば、そうではありません。
物価があがり、1個100円のハンバーガーが1,000円、1万円と値上がりする。そんなことは世界的に見て珍しくありません。
たとえばエジプトでは、かつて毎年30%のインフレが起きていたそうです。つまり、1個100円のハンバーガーが翌年に130円になり、170円になり、220円(3年で2.2倍)になるということです。
言い換えれば、いま100円でハンバーガーを買うことができても、3年後には100円でハンバーガーを買うことができなくなるということです。
そんなインフレがおきれば、今持っているお金は将来も同じ価値を持っているとは言えません。
日本ではデフレが続いているため、この事実を認識できない方は多いですが、預金はインフレに脆弱です。
日本の年間の目標インフレ率は2%とされていますので、今後、預金をしているだけで資産価値が目減りしていく時代になってきています。
年利2%では、いま100万円で買えるものが10年後には122万円、20年後には148万円になります(2%の複利計算)。当然ながら投資をすれば表面上のお金が減るリスクはありますが、一方で、投資をしなければ、20年で48%の損失を被ります。
すべてを預金にするのではなく、一部だけでも株などのインフレに強い資産に組み替えておくと良いでしょう。
日本人にとってなじみやすいのは、毎年3%程度の配当収入を得られる高配当株投資だと思います。
下記の記事で、配当金生活に必要な資金や具体的な銘柄の一例をご紹介していますので、これから株式投資を始めたい方は参考にご覧ください。
ペイオフは1000万円まで
銀行預金のペイオフは1000万円までです。
ペイオフとは、銀行が破綻したときに、元本1000万円までとその利息を国が肩代わりしてくれる制度です。
ペイオフは昔から1000万円であったわけではなく、次のように、何度か改正を経てこの金額になっています。
<ペイオフの歴史>
- 昭和46年には元本100万円まで
- 昭和49年には元本300万円まで
- 今は1000万円
この保護される1000万円という金額は「1金融機関ごと」のため、1つの銀行に2000万円、3000万円と預けると、もし銀行が破綻したときに大損失を被る可能性があります。
そのため、1金融機関に預けるのは1000万円までにしておかないと損する可能性があります。
銀行預金も立派な投資です。お金を銀行に貸し出しているにすぎません。
銀行が破綻すれば、お金は回収できなくなります。
1000万円はペイオフで保護されますが、1,000万円超の部分は、破たんした金融機関の財産状況に応じて支払い(一部カットされる場合あり)とされていますので、1000万円を超えて預けていたお金はすべて返ってこない可能性があります。
そして、銀行が破綻するのは決してあり得ないことではありません。
みずほ銀行やUFJ銀行など、大手の銀行は大規模なリストラ計画を発表していますし、地方の銀行や信用金庫は稼ぐのがむずかしくなっており、潰れてもおかしくありません。
銀行預金は低リスク低リターンの投資ではなく、中リスク低リターンの投資です。1000万円超というペイオフの範囲を超えて預金するのはリスクがあることを認識しておきましょう。
定期預金と普通預金の違い
定期預金と普通預金の違いは、大きく次の2つです。
- 金利
- 引き出し可能か
金利(定期預金の方が高い)
金利は、定期預金の平均金利が年0.003%、普通預金が年0.001%です。したがって、定期預金の方が金利が高いです。
ただし、大差はないのでいつでも引き出せる普通預金の方が使い勝手が良いでしょう。
引き出し可能か
普通預金はいつでもお金を引き出すことができますが、定期預金は原則として満期になるまで引き出すことができません。
そのため、定期預金にお金を預けた場合は数か月、数年といった長期間、お金を動かせなくなります。
定期預金の解約(引き出し)の仕組み
定期預金の解約(引き出し)は、次の2通りによって行われます。
- 満期解約
- 中途解約
満期解約
定期預金は、最初に決めた期間(数か月~数年)、引き出すことができません。
このお金がいつ返ってくるかと言えば、「満期」がきたときです。つまり、最初に10年預けると決めれば10年後に満期が到来し、その際にお金が返ってくる仕組みになっています。
中途解約
定期預金は、原則として満期まで解約(引き出し)ができません。長期間お金を預けるからこそ、普通預金より高い金利が約束されているからです。
そのため、もし中途解約した場合、この高い金利ではなく、より低い金利(中途解約利率)でお金が返ってくることになります。
定期預金を中途解約した場合のデメリット
定期預金を中途解約した場合のデメリットを3つご紹介します。
- 通常の金利ではなく、中途解約利率(低い利率)で金利が計算される。
- 仕組預金などの場合は解約手数料がかかる可能性がある。
- 仕組預金などの場合は元本割れする可能性がある。
定期預金を中途解約した場合、金利は10分の1ぐらいになる等、普通預金の金利を下回る可能性があります。
とはいえ、いまの低金利時代において、中途解約した場合の金利が下がるデメリットは無いと言っても良いかもしれませんね。
定期預金?「仕組預金」のデメリット
定期預金に似た商品として、「仕組預金(しくみよきん)」と呼ばれるものがあります。
銀行がよくすすめています。
仕組預金(しくみよきん)とは、預金する人がリスクを取る代わりに、通常より金利が高く設定されている預金です。
普通預金より定期預金の方が長期間預けるというリスクをとるため金利が高く、仕組預金は定期預金よりさらにリスクをとるため、一般的に金利が高くなります。
ただし、仕組預金は定期預金より金利が若干高いですが、元本割れを起こす可能性があります。
仕組預金には、次のようなものがあります。
- 1年間だけ預ける予定だったが、気が付いたら10年間引き出せなくなるもの
- 相続が起こった時など仕方なく解約する場合であっても、中途解約すると元本割れするもの
- 為替相場が大きく変動したときに強制的に解約され、元本割れするもの
- ペイオフの対象にならないもの 等
仕組預金は銀行が儲けるための商品であり、初心者が手を出してはいけない資産運用商品の一つです。わたしであれば絶対に手を出しません。
また、仕組預金は普通預金や定期預金と異なり、ペイオフの対象にならないものもあります。そのため、預金と同じように預けていても銀行が倒産したらゼロになってしまう可能性があります。気を付けましょう。
より詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
関連記事:仕組預金には手を出すな!リスクが高い最低の投資商品?
定期預金以外の資産運用方法7選
わたしは自身で投資を行っている他、月間10万人が訪れる、税理士による相続メディア「新宿相続センター」を運営しています。
そこで、多くの相続税申告に伴い数多くの富裕層の方々を見てきました。
定期預金以外にどのような資産運用の方法があるのか7つご紹介します。
- 日本国債
- 社債
- 投資信託
- 株式投資、インデックス投信(ETF)
- 太陽光発電投資
- 仮想通貨(暗号資産)
- Funds
日本国債
日本国債、こちらは定期預金とほぼ同様です。日本国債を買うということは、すなわち日本にお金を貸すことになります。
日本国債の特徴としては、一般的に定期預金より金利が高いことが挙げられます。ただし、いまの低金利時代では定期預金と大差なく、1%も無いためおすすめはできません。
社債
社債は、日本国債と比べると倒産などのリスクが高まりますが、比較的手堅く収入を得ることができます。日本の社債で年利1%ほど、米国債などで年利2%ほどと、定期預金よりは高い利回りを得られます。
関連記事:【債券投資】外国債券や国内債券のメリット・デメリット
投資信託
証券会社とつながりがあると、必ずと言ってよいほどすすめられる「投資信託」。資産1、2億円ぐらいの富裕層の方が持っているケースが多いですね。
ただし、投資信託で大損している人は結構多いです。投資信託を買って放置している方、これから購入を検討している方は失敗しないために下記の記事をご覧ください。
関連記事:投資信託で大損!?おすすめしない5つの理由を税理士が解説
株式投資、インデックス投信(ETF)
株式投資はギャンブルではありません。会社の成長に伴い、利益を株主として享受することができるからです。
株式投資については、市場や銘柄さえ間違えなければ資産形成に向いていると思います。
安定的に3%ぐらいの利回りを得たいのであれば株式投資は候補にあがります。
最近では、米国で人気のS&P500指数に連動した成果を目指すETF「VOO」が人気を集めています。SBI証券で簡単に買うことができます。
関連記事:【初心者向け】S&P500の買い方を投資家税理士が解説
太陽光発電投資
太陽光発電投資をされている方は、富裕層よりサラリーマンが多いですね。
業者選びなど間違えなければ、選択肢には上がると思います。
ただし、多額の融資をひけなければうまみがなくなってきています。
わたしも2基保有しており、下記の記事で実際の収入状況など公開していますので、太陽光発電を検討されている方はぜひご覧ください。
関連記事:太陽光発電は儲かる? アプラス融資など税理士が解説
仮想通貨(暗号資産)
仮想通貨はギャンブルの側面が強いです。資産形成には向いていないので宝くじと考えるのが良いでしょう。
外れればゼロ円になる可能性はありますが、当たれば100倍、300倍も珍しくない世界です(最悪ゼロになって終わりなので、マイナスになって借金を背負うことはない)。
「1ビットコイン3,000万円いくのでは」という声もありますので、お金に余裕があれば挑戦してみるのはアリだと思います。
0.1ビットコインなど、小数点単位でも購入できるため、1,000円ぐらいから始められます。
これから口座開設したい方は下記の記事をご覧ください。口座開設方法をわかりやすく解説しています。
関連記事:草コイン購入ならBinance|当サイトから登録で手数料永久5%割引
Funds
Fundsはメルカリなど上場企業を中心に、お金を貸して利息をもらう投資方法です。
金利は年1%~3%ほどと、株式投資や仮想通貨投資に比べればだいぶ低いです。
しかし、あくまでもお金を貸しているだけですので、株式投資などと異なり値動きがありません。
また、お金の貸出先は上場企業等であり、期間も1年など短期です。そのため、返済されないリスクは低く、定期預金で寝かせておくよりは高い利息がもらえるため、近年人気を集めています。
関連記事:【年利3%】安定利息収入Fundsの評判は?税理士が解説
定期預金はおすすめしない
定期預金は、昔であれば預けておくだけでお金が増える素晴らしい仕組みだったかもしれません。
しかし、今では低金利かつ長期間引き出せないという大きなデメリットしかありませんので、個人的にはおすすめできません。
「蓄えておきたいだけなら普通預金でいいんじゃないか」というのが私の考えです。
なお、最近では、上場企業にお金を貸して年利1-3%の利息をもらうFundsが人気です。
値動きしませんので、ほったらかしでOK、お金の貸出先も上場企業等ですので、ローリスクミドルリターンの投資が可能です。
関連記事:【年利3%】安定利息収入Fundsの評判は?税理士が解説
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