リスクが高く、長期で見るとS&P500指数と乖離するので長期保有は危険です。本当に上がりそうなタイミングで数日間持つ程度が良いでしょう。
この記事では、投資家税理士 坂根が解説します。
ポイント
- SPXLはS&P500レバレッジ3倍のETF(上場投資信託)
- レバレッジETFは長期で見ると指数と乖離する
- SPXLは元本割れリスクが高いため、原則元本割れしない年利1-3%の利息が手に入るFundsの選択肢もアリ
関連記事:【年利3%】安定利息収入Fundsの評判は?税理士が解説
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SPXLとは
SPXL(ディレクション・デイリーS&P500ブル3Xシェアーズ)とは、S&P500指数の「日々の3倍の投資成果」を目指すETF(上場投資信託)です。
ティッカー | SPXL |
正式名称 | ディレクション・デイリーS&P500ブル3Xシェアーズ |
運用会社 | Direxion |
市場 | NYSE |
ベンチマーク | S&P500指数の3倍の日次投資成果 |
設定年月日 | 2008年11月5日 |
経費率 | 0.95% |
直近の配当利回り | 0.40% |
株価 | 77.97ドル |
純資産額 | 約26億ドル |
取扱証券会社 | SBI証券など |
※2022年7月28日時点
S&P500指数とは
S&P500指数とは、日経平均株価のアメリカ版と考えると良いでしょう。AmazonやGoogleなど、アメリカに上場している代表的な500社の株価を基に算定された数値です。
S&P500指数は1957年から2021年までずっと右肩上がりで成長しており、この64年間で86倍になっています。600万円程度の投資で5億円以上になる計算です。
関連記事:【初心者向け】S&P500の買い方を投資家税理士が解説
SPXLはきっちり3倍の値動きではない
SPXLは、S&P500指数の「日々の」3倍の投資成果を目指すETFです。
「日々の」というところがポイントです。SPXLは、1か月先や1年先に3倍の値動きをしていることを保証するものではありません。
SPXLは横ばい相場でも損する
SPXLは、株価が上昇するときに限って利益を出せる銘柄です。
下落相場はもちろん、横ばい相場でも目減りしていきます。
S&P500指数連動ETF「VOO」「IVV」の経費率は0.03%ですが、SPXLの経費率は0.95%と高いです。
SPXLの危険性
SPXLに限らず、レバレッジETF(何倍もの値動きをするETFを「レバレッジETF」と呼びます)は一気に稼ぐことができるため近年人気を集めていますが、3倍の値動きをするため、下落相場では一気に資産を失います。
初心者は手を出さない方が良いでしょう。
関連記事:米国レバレッジETFを長期保有してはいけないカンタンな理由
SPXLの株価推移
SPXLは、2008年に設定された比較的新しいETFです。
しかし、2008年の設定から2021年の13年間持ち続けていれば3.85ドルが147.98ドルと38倍にもなったという驚異のETFです。
SPXLのチャート
画像:SPXLのチャート(2022年7月16日時点)
SPXLはS&P500指数のレバレッジETFです。S&P500指数は2008年からずっとうなぎ登りでしたので、2008年の設定以来右肩上がりを描いています。
コロナショック等で大きく下げる場面はありましたが、その後も伸び続け、2021年末には最高値をつけています。2022年現在は米国株式市場は低迷気味のため、半値以下に大きく下落しています。
大きく稼げる可能性もある一方で、大きく失う可能性もあるのがレバレッジETFの怖いところですね。
SPXLとS&P500指数連動ETF「IVV」の比較
画像:SPXLとIVVの5年比較チャート(2022年7月16日時点)
オレンジ色の線がS&P500の3倍レバレッジETF「SPXL」、青色の線がS&P500連動ETF「IVV」です
上記の画像を見るとわかる通り、きっちり3倍になっていないことがわかります。
もちろん、S&P500指数はずっと右肩上がりだったため、基本的にはIVVよりSPXLの方が良い投資成果を出していたので今まで特に問題にはなりませんでした。
しかし、コロナショックでの大きな下げのタイミングや2022年に入ってからの下落はかなり大きいです。こういった一気に資産を失うリスクを避けたければSPXLではなく、純粋なS&P500連動ETFのVOOやIVVを選びましょう。
関連記事:VOOの配当金利回りは1%、配当金生活をするのはむずかしい
SPXLの配当金
SPXLの配当金利回りは約0.45%(2022年7月時点)です。
レバレッジETFでは配当金が出ないETFも多いですが、SPXLでは少しだけですが配当金をもらえます。
ポイント
- 配当金は年2回、6月と12月
- 配当金は1回あたり約10円
SPXLの配当金はいつもらえる?
SPXLの配当金を受け取れる時期は6月と12月の年2回です。
SPXLの配当金推移
SPXLの2017年~2022年の配当金推移は次の通りです。
配当金支払日 | 配当金(USD) | 配当金(円) |
2017/12/27 | $0.115 | 15 |
2018/06/26 | $0.014 | 1 |
2018/10/02 | $0.114 | 15 |
2019/01/04 | $0.208 | 28 |
2019/07/02 | $0.293 | 40 |
2019/12/31 | $0.262 | 36 |
2020/06/30 | $0.046 | 6 |
2020/12/30 | $0.115 | 15 |
2021/06/29 | $0.041 | 5 |
2021/12/29 | $0.115 | 15 |
2022/06/29 | $0.078 | 10 |
※1ドル139円で計算
だいたい、1回あたりの配当金が10円ほどで年2回で20円です。
2022年7月現在のSPXLの価格が約70ドル(9,730円)ですから、割り戻すと年利0.2%です。
「無いよりはマシ」ぐらいに考えておくのが良く、配当金狙いであれば高配当ETF「VYM」や「SPYD」にしておきましょう。
関連記事:VYMの配当金はいつ、いくらもらえる?高配当ETFによる資産運用
SPXLの買い方
SPXLはネット証券で簡単に買うことができます。
これから口座開設される方は米国株の買い付け手数料が格安のSBI証券が良いでしょう。
わたしもSBI証券をメインにしていますが、アプリで簡単に売買でき、使いやすいです。
下記の記事でSBI証券の口座開設方法をわかりやすく解説していますので、これからSPXLを買いたい方はこちらの記事をご覧ください。
関連記事:【比較】証券会社のおすすめはどこ?口座開設の流れを解説
SPXLの配当金のかわりにFundsもアリ
SPXLは当然ですが元本割れリスクが高いため、原則元本割れしない、債券や年利1-3%の利息が手に入るFundsの選択肢もアリでしょう。
上場企業等の手堅い投資先にお金を貸し、年利1-3%の利息を得ることができます。
元本割れリスクを減らして配当収入を増やしたい方にとっては、選択肢の一つとして検討しても良いでしょう。
関連記事:【年利3%】安定利息収入Fundsの評判は?税理士が解説
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