金投資はそんなに儲かりません。
この記事では、投資家税理士 坂根が解説します。
ポイント
- 金投資は儲からない
- 配当金が出ない
- 価格の増減要因が単なる需給バランスに過ぎない
- 株ほど大きく値上がりしない
- 金投資は元本割れリスクがあるので、原則元本割れしない年利1-3%の利息が手に入るFundsの選択肢もアリ
関連記事:【年利3%】安定利息収入Fundsの評判は?税理士が解説
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金投資は儲かる?
金投資は儲かりません。
金投資は儲けるために行うものではなく、リスク回避のために行うものです。
そのため、リスク回避する程の資産があることが前提となりますので、数千万円程度の資産で金を持つ必要は無いでしょう。
金投資のリスクとデメリット
金投資のリスクとデメリットについて解説します。
注意ポイント
- 株と違って配当金が出ない
- 手数料が安くない
- 価格の増減要因が単なる需給バランス
- 価格は大きく伸びない
株と違って配当金が出ない
金は株と違って配当金が出ません。
当たり前ですが、金は持っていても何も利益を生みだしません。ただの綺麗な石ころです。
何グラム持っていても、何年持っていても、それだけでは1円も生み出しません。
株式投資であれば、投資先企業が利益をあげれば利益の一部を配当金として株主に還元することができます(関連記事:憧れの配当金生活にはいくら必要?現実的には1億円)。
しかし、金は持っているだけでは何も利益を生みませんので配当金は1円もありません。
それが金投資のデメリットです。
手数料が安くない
金投資は手数料が安くありません。
どんな業者から買うか、保管方法はどうするか等によって異なりますが、年間の管理料や購入手数料、売却手数料がかかります。
概ね、購入金額の2%~3%程度といったところです。
1,000万円なら20万円、1億円なら200万円の手数料がかかります。
金投資で得られる利益は売却益のみですから、この手数料は、投資目的としては無視できない金額です。
価格の増減要因が単なる需給バランス
金の価格が増減する要因は、言ってしまえば単なる需給バランスです。
画像:金地金の20年チャート
出典:第一商品(https://www.dai-ichi.co.jp/market/ubsmspot.asp)
金は上記の通り、株のように値動きします。
しかし、投資先企業が利益を出し、純資産を積み上げた結果として企業価値が高まり、株価に反映されていく株式投資とは性質が異なります。
つまり、乱暴な言い方をすれば、金は単純な需給バランスで価格が増減していると言えます。
古代エジプトじゃないですから、今どき金に1グラム7,000円もの価値があるとは思えません。
もちろん、資産防衛の観点からリスク回避手段としての金への資金避難はアリだと思いますが、投資目的で金を買うのは微妙です。
価格は大きく伸びない
金の価格は大きく伸びませんので、投資目的としては微妙です。
画像:金地金の20年チャート
出典:第一商品(https://www.dai-ichi.co.jp/market/ubsmspot.asp)
上記のように価格は横ばいの時期が多いです。
また、結果として価格は上昇していますが2014年から2021年の7年間で約1.5倍、2002年から2021年までの約20年間で約5倍です。
これを高いと見るか低いと見るかは人によりますが、何十倍にもなる株式投資と比べて大きく利益を得ることは難しいでしょう。
いくつか株の価格推移と比較してみましょう。
トヨタ自動車の株価推移との比較
画像:トヨタ自動車の株価推移
2014年から2021年の7年間で約1.7倍、2002年から2021年までの約20年間で2.8倍です。
トヨタ自動車は年3%程度の配当金を出していますので、配当金を考慮すると、実際はもう少し高い数値になります。
20年間で見ると金の方が価格上昇していますが、直近7年で見るとトヨタ自動車の方が投資効率が良かったと言えます。
関連記事:トヨタ自動車の配当金利回りは何%?100株でいつ、いくらもらえる?
ソフトバンクグループの株価推移との比較
画像:ソフトバンクグループの株価推移
2014年から2021年の7年間で約2倍、2002年から2021年までの約20年間で21倍です。
ソフトバンクグループは配当金をあまり出さず事業に回すため、再配当したとしても数値に大きく変わりないと思います。
直近7年で見てもソフトバンクグループの方が投資効率が良いですが、20年で見ると21倍ですから、ソフトバンクグループの方が圧倒的に投資効率が良かったと言えます。
関連記事:ソフトバンクグループの配当金はわずか0.5%!いつ振り込まれる?
Google(Alphabet)の株価推移との比較
画像:Google(Alphabet)の株価推移
2014年から2021年の7年間で約4.5倍、2004年の上場時から2021年までの17年間で46倍です。
Google(Alphabet)は無配(配当金を出さない)の会社ですので、株価の伸びがイコール利益になります。
Googleのここ数十年の成長を考えれば比べるまでもないですが、誰がどう見ても、Googleの方が投資効率が良かったと言えます。
投資効率のまとめ
投資対象 | 直近7年 | 直近約20年 |
金 | 1.5倍 | 5倍 |
トヨタ自動車 | 1.7倍※ | 2.8倍※ |
ソフトバンクグループ | 2倍※ | 21倍※ |
Google(Alphabet) | 4.5倍 | 46倍 |
※配当金を考慮しない数値
上記の銘柄は一例ですが、金の投資は株式投資と異なり、会社が利益をあげることによって価格が増減するものではありません。そのため、金の価格の伸びにはどうしても限界があります。
つまり、資産防衛の場合はともかく、資産を増やしたいという投資対象としてはあまり向いていません。
大きく資産を増やしたい場合は株式投資の方が、やはり魅力的です。
これから証券口座を開設したい方は下記の記事をご覧ください。口座開設方法を画像付きでわかりやすく解説しています。
関連記事:【比較】証券会社のおすすめはどこ?口座開設の流れを解説
金投資のETF
金への投資方法は、金を現物で保有するのが主な手段です。しかし、そのほか、ETF(上場投資信託)によって、金の値動きを投資対象とすることもできます。
金投資に関するETFは次の5つが代表的です。
金投資に関する代表的なETF
- SPDRゴールド・シェア(1326) ※東証上場のGLD
- 金の果実(1540)
- GLD
- GLDM
- IAU
ティッカー | 経費率 | 取引所 |
1326 | 0.40% | 東証 |
1540 | 0.44% | 東証 |
GLD | 0.40% | NYSEARCA(米国) |
GLDM | 0.18% | NYSEARCA(米国) |
IAU | 0.25% | NYSEARCA(米国) |
表:2021年7月4日時点の情報を基に作成
運用総額の規模や経費率が異なりますが、正直どれも大差はありません。
1326と1540は東証上場、つまり日本円で購入できます。GLD、GLDM、IAUは米国上場のため、米ドル建てで購入できます。
為替手数料がかかりますので、円建てで取引したい場合は1326、米ドル建てで取引したい場合はGLDMが選択肢にあがるでしょう。
なお、1540は金の現物と交換可能なため、いずれ現物の金を持ちたいという方は1540という選択肢もアリだと思います。
どの銘柄もSBI証券などのネット証券で購入することができます。
これから証券口座を開設したい方は下記の記事をご覧ください。口座開設方法を画像付きでわかりやすく解説しています。
関連記事:【比較】証券会社のおすすめはどこ?口座開設の流れを解説
SPDRゴールド・シェア(1326)
SPDRゴールド・シェア(1326) は、GLDの東証版です。
GLDは米国上場のため米ドルでしか購入できませんが、SPDRゴールド・シェア(1326) は東証上場のため、円建てで購入できます。
経費率は0.40%のため、GLDと同じです。円建てで金のETF投資を行いたい(為替リスクをとりたくない)場合はまず選択肢にあがるでしょう。
金の果実(1540)
金の果実(1540)は三菱UFJ信託銀行が受託者となっているETFです。
経費率は0.44%と、1326より0.04%だけ高いですが、ほとんど変わりません。
以前は経費率0.49%でしたので、経費率の引き下げを行っていることから、今後も下がる可能性があります。
金の果実の特徴は、現物の金と交換できるところです。
手数料 | 金額 |
事務取扱手数料 | (請求1回あたり)5,500円 |
金地金改鋳費用相当額 | (1kgあたり)22,000円 |
運送関係の諸費用 | (請求1回あたり)3,300円 |
1kg以上から交換可能であり、郵送もしくは宅配便で送ってもらえます。
1kgとなると、2021年7月5日現在1口6,100円ですから、610万円から交換可能です。
その際の交換手数料は、上記表の合計30,800円(※)です。
割合にして約0.5%のため、普通に現物の金を購入するよりは低い手数料でおさまりますが、現実的には10kg(6,100万円)以上などそこそこの口数でないと、低い手数料の恩恵は受けられないでしょう。
※5,500円+22,000円+3,300円=30,800円
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