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外貨建て保険は危険?メリットやリスクを資産運用に強い税理士が解説

2021年4月19日

「外貨建て保険って儲かるの?すごい良さそう!」。

個人的にはおすすめしません、一旦この記事を読んで考え直しましょう。

この記事では、外貨建て保険について投資家かつ税理士の坂根が次の疑問について解説します。

  • 外貨建て保険とは
  • 外貨建て保険のメリット
  • 外貨建て保険のリスク
  • 外貨建て保険に苦情殺到
  • 外貨建て保険は資産運用には向いてない

すべて無料で情報公開していますので、外貨建て保険で失敗しないために、ぜひ最後までご覧ください。
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外貨建て保険とは

外貨建て保険とは、外貨(米ドルや豪ドルといった、日本円以外の通貨)の保険です。もちろん、外貨といっても日本の保険会社でごく一般的に取り扱われています。

支払時に日本円を外貨に換算し、満期時や解約時、保険事故の発生時に、外貨建ての保険金額等を、日本円に換算した金額で支払われることが多いです。

外貨建て保険と日本の円建ての保険の違いは、外貨建てで保険金額等が計算されるか、日本円建てで保険金額等が計算されるかです。

 

外貨建て保険のメリット

外貨建て保険のメリットは大きく次の二つと言えるでしょう。

  • 外貨建てで見た場合の保険金額などが高い
  • 円安になった時に利益が出る

 

外貨建てで見た場合の保険金額などが高い

外貨建ての保険は、うまくいけば、かけた保険料以上の保険金を受け取ることができます。

これは主に、日本円と米ドルなどとの為替レートの変動によるものですが、それだけでなく、外貨建て保険の保険は、米国債などで運用されていることが多いというのが挙げられます。

日本国債の金利は2020年現在0.005%ですが、この記事を執筆してる時点において、米国債の金利は10年物で1%程、30年物で1.7%ほどあります。

5年、10年前と比べれば米国債の金利も大幅に下がってはいますが、それでも日本国債の金利と比べれば歴然とした差があります。

そのため、円建てで運用するよりは米ドル建てで運用されていた方が、 米ドル建ててみた場合には、保険金額等が高く計算されることが多いです。

 

円安になった時に利益が出る

外貨で運用されているということは、円安になった時、利益が発生します。

1ドル100円の時に保険をかけ、同額の保険金額等が降りた際に1ドル120円の円安になっていた場合、差し引き1ドルあたり20円の利益が出ることになります。

1ドルあたり20円の差ということは、1万ドル(約100万円)であれば20万円、10万ドル(約1,000万円)であれば200万円の差になります。

そのため、円安がすすめば利益を出すことができます。


図:WEOによる世界経済の見通し

WEOによる世界経済の見通しによれば、日本の成長率は世界GDPを下回っています。

また、少子高齢化が続いているため爆発的な日本の成長はむずかしいように思います。

そのため、日本がこのまま爆発的に成長しないのであれば、長期的に見て円安(ドル髙など)に触れていくでしょう。

日本で生活するにしても、他国の通貨で運用していくのは、これからの時代、決して悪い選択肢ではないと思います。

 

外貨建て保険のリスクと危険性

外貨建て保険の代表的なリスクと危険性を5つご紹介します。

<外貨建て保険の代表的リスクと危険性>

  1. 円高になると損する
  2. 元本割れリスクがある
  3. 保険会社の倒産リスク
  4. 長期間、低金利などでお金が拘束される
  5. 手数料が高い

 

円高になると損する

外貨で運用されているということは、円高になった時、損することになります。

1ドル100円の時に保険をかけ、 同額の保険金額等が下りた際に1ドル80円の円高になっていた場合、差し引き1ドルあたり20円の損失が発生することになります。

保険は長期間にわたって、1万ドル(約100万円)や10万ドル(約1,000万円)かけるケースも珍しくありません。

1ドルであれば20円の損失であっても1万ドルであれば20万円、10万ドルであれば200万円の損失です。

そのため、為替リスクは決して無視できるものではありません。

 

元本割れリスクがある

外貨建て保険は、保険料を支払った際に1万米ドル、満期が到来した時に1万米ドルで返ってくるといったようなものもあります。

しかし、支払時1万米ドル、 満期時に1万米ドルだとしても、そこには上述したような為替リスクがあります。

そのために日本円ベースで見た場合には、元本割れする可能性があります。

また、中には、数十年間解約してはいけない特約が付いている保険(解約した場合に返戻金が一切無い「無解約返戻金」など)も多くありますし、数十年間保険をかけないと元本割れするものも多いです。

 

保険会社の倒産リスク

保険会社が倒産した場合、その保険料は、生命保険契約者保護機構がある程度保証してくれます。ただし、一般的に保険金額が減少することになります(詳しくは生命保険会社の保険契約者保護制度Q&Aをご覧ください)。

わたしは以前40年ものの保険(満期時に3倍になって返ってくる)をかけたことがありますが、リスクが高いなと思い、2か月で解約してしまいました。

山一証券や北海道拓殖銀行といった大手金融機関がかつて破綻しています。つい最近ではJALなどの超大手企業が破綻しています。

銀行や保険会社も広告はバンバン出していますし身近な会社ですが、イコール儲かっているわけではありません。

これらの会社がいつ破綻したとしてもおかしくないため、何十年もの長期の保険契約を、私はおすすめしません。

 

長期間、低金利でお金が拘束される

外貨建て保険の運用先は米国債などです。

米国債は日本の証券会社から簡単に買うことができますし、その他、米国の ETF などで運用する方が、利回りは一般的に高くなります。

なので、運用リターンは低いことが多いです。

ちなみに、保険料を支払った際、その保険料の内、保険会社の儲けになる部分は当然ながら必要です。

そのため、保険料の一部は保険会社に手数料としてとられ、運用に回るお金はその残りとなります。

間に保険会社が入る分、当然ながら運用手数料が必要であり、リターンは低くなります。

ご自身で資産運用したい方は米国ETFは初心者向け、おすすめ銘柄など資産運用に強い税理士が解説で具体的な銘柄などご紹介していますので、こちらをご覧ください。

 

手数料が高い

外貨建て保険は、運用されている際の手数料が高いケースが多いです。

外貨建て保険の積立保険部分は、資産運用を保険会社に委託しているにすぎません。

いわば、投資信託と同じです。

そして、保険会社が運用するということは当然ながら委託するための運用手数料がかかります。

日本円から米ドルに変換するための為替手数料、毎年管理運用するための維持手数料など、考えだしたらキリがありません。

外貨建て保険は、以下で説明するような苦情が昔からあります。

そのため、金融庁が手数料の開示を求めたという経緯があります(そのため、昔よりはきちんとしているものもあります)。

当たり前の話ですが、他人に資産運用を委託するということは、運用してもらうための手数料がかかります。

単純に資産運用の観点で言うのであれば、手数料をかけずに自身で運用に回した方が良いでしょう(【資産運用】1000万なら何がおすすめ?8種類比較:税理士が解説もぜひ、ご覧ください)。

 

苦情殺到!外貨建て保険は危険

昔からよくある話ですが、いまだに、国民生活センターに次のような苦情が届いています(2018年度の相談件数だけで538件)。

【事例1】元本保証を約束され豪ドル建ての保険を契約したが、元本保証ではなかった
【事例2】定期預金をしたつもりが、外貨建て変額個人年金保険に加入していた
【事例3】将来必要な施設入居資金と伝えていたのに、外貨建て生命保険の契約だった
【事例4】高齢の父宛てに外貨建て生命保険証券が届いたが、父は加入した覚えがないと言う
【事例5】高齢独居の叔母が約 20 件の外貨建て個人年金保険などを次々に契約をしていた
【事例6】両親が外貨建て生命保険を勧誘されクーリング・オフしたが円高で損が出た

出典:独立行政法人 国民生活センター「外貨建て生命保険の相談が増加しています!」 令和2年2月20日 から抜粋

URL:http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20200220_2.pdf

要するに、先ほど紹介したリスクが一切説明されなかったり、あるいは理解していないまま契約をし、失敗しているということです。

外貨建て保険を資産運用商品、高利回り商品と考えて契約すると痛い目にあうでしょう。

 

外貨建て保険は資産運用には向いてない

確かに、外貨建て保険が円建ての保険よりも有利なケースはあります。

しかしながら、実態としては 「自称お金のプロ」であるFP(ファイナンシャルプランナー)が、手数料の高い保険を販売したいと考え、無料セミナーや無料相談を行い、ダメな外貨建て保険を販売しているという実態があります。

彼らは保険を販売するのが仕事になってしまっているからです。

わたし個人としては、相続税の節税などの場合には外貨建て保険を勧めるケースはあります(相続税の節税における保険の活用については生命保険による相続税の節税(相続税法12条の非課税枠)を税理士が解説をご覧ください)。

もちろん、保険には上述したようなリスクもあるため、保険をすすめる際は、きちんとした保険の担当者をご紹介しています。

純粋な資産運用を行いたいのであれば、個人的には米国ETF債券投資で良いかと思います。

 

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税理士 / 坂根 崇真

【肩書】 税理士、㈳全国第三者承継推進協会 理事、その他 ㈱ 代表取締役 【著書】 相続実務のツボとコツがゼッタイにわかる本 【メディア実績】 Yahoo!ニュース、livedoor ニュース、Smart News、幻冬舎GOLD ONLINE ほか 【プライベート】 プライベートでは株や社債をはじめ、太陽光発電設備を2基など保有する個人投資家

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