いつ売ればいいか。売却タイミングの見極めは長年投資をしている人であっても容易ではありません。
ただし、特に投資信託はだめな商品も多いので、気が付いたらすぐに損切りすることが重要です。
この記事では、投資家税理士 坂根が初心者向けに解説します。
ポイント
- 投資信託の売却タイミングはその投資信託の将来性の有無で違う
- 投資信託を売却するタイミングの一例
- 利益が出ている場合(利益確定売り)
- 損失が出ている場合(損切り)
- だめな投資信託だったと気が付いた時
→1日も早く損切りすべき
- 投資信託は元本割れリスクがある
→元本割れリスクを避けたいなら、原則元本割れせず年利1-3%の利息が手に入るFundsの選択肢もアリ
関連記事:【年利3%】安定利息収入Fundsの評判は?税理士が解説
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投資信託に売り時はあるの?
「投資信託に売り時はあるの?」。 このタイミングの見極めは非常にむずかしいです。
なぜなら、価格を構成する要素が1つだけではないからです。
たとえば、次の要素によって価格が変動します。
ポイント
<投資信託の価格の変動要素(一例)>
- 投資信託の利益の状況
- 価格の上昇具合、下落具合などのトレンド
- 分配金の利回り
- 投資先の将来性
- 社会情勢、ニュース
- 需給関係(投資信託を買いたい人と売りたい人のバランス)
1.投資信託の利益の状況
投資信託は、株や社債など複数の銘柄に、証券会社を通して買い付けているにすぎません。
そのため、単純に言えば投資先企業が儲かっていれば投資信託の価格は上がり、一方で、投資先企業が損をしていれば価格は下落するということです。
2.価格の上昇具合、下落具合などのトレンド
株価の上昇、下落は一定期間続くことがあります。
これを上昇トレンド、下落トレンドと呼んだりします。
たとえば、バブル時代は株価が上昇し続けていました(上昇トレンド)し、リーマンショック時は数か月間ずっと株価が下落していく傾向(下落トレンド)にありました。
実際に投資先企業が儲かっていようが、市場全体が下落トレンドにあれば引きずられて下がるかもしれませんし、投資先企業が大損して事業がコケていても、市場全体が上昇トレンドであれば引きずられて価格が上がるということもあります。
3.分配金の利回り
投資信託は、株の配当金と同じように分配金を出します。
ただし、分配金の利回りは高ければ高いほど良いというわけではありません。ひどい投資信託だと元本を削ってでも分配金を出すケースがあります(関連記事:投資信託で大損!?おすすめしない5つの理由を税理士が解説)
しかし、分配金の利回りが高い投資信託は人気になりやすい特徴があります。
投資信託の価格が下落した場合、分配金の利回りは高くなります(1口1万円で300円の分配金を受け取れる銘柄が1口5,000円まで値下がりした場合、1口あたりの利回りは3%→6%に上がる)。
そのため、投資信託の価格が下落し、分配金の利回りが高くなった銘柄には買いが入る(つまり、価格が上がる)ことがあります。
4.投資先の将来性
投資先企業に将来性があるのであれば、それを見越して買いが入ります。
GoogleやFacebook、Amazonなど、数年前からとんでもない価格の上昇をしていますが、それは今のように、市場を席捲することを見越して投資家が買いを入れていたからです。
投資先企業に将来性があるのであれば、買いが入り、価格が上昇する可能性があります。
5.社会情勢、ニュース
株価は社会情勢やニュースによって引きずられやすいです。
米国の長期金利が何%かによっても左右されやすいですね。
たとえば、米国債を買って利回りが10%など出るのであれば、ほぼ無リスクで資産を増やせるわけですから、みんな株や投資信託から米国債に乗り換えます(=株価は下がる)。
6.需給関係(投資信託を買いたい人と売りたい人のバランス)
最終的には、株価や投資信託の価格は需給バランスで決まります。
買いたい人がいれば価格は上がり、売りたい人が増えれば価格は下がります。
魅力的な銘柄を見つけることが大事です。
適正な価格は無い
上記は一例ですが、これら全てが価格の決定に影響を及ぼします。
そのため、適正な価格はいくらかと言った単純な話はありません。
しかしながら、投資信託を買うとき、売るときに際して、いくつかの判断ポイントがあるためご紹介します。
投資信託の売り時はどんなタイミングがあるの?
投資信託の売り時はいつが良いのか。
- 利益が出ている場合(利益確定売り)
- 損失が出ている場合(損切り)
- だめな投資信託だったと気が付いた時
この3点を軸に解説していきます。
利益が出ている場合(利益確定売り)
利益確定売りとは含み益が出ている場合(買った時より利益が出ている状態)に売却することです。
例えば次の場合に売却すると良いと言えるでしょう
ポイント
- 目標の売却金額に達した時
- これ以上価格の上昇が見込めない時
- 他の投資商品に資金を回したほうがより効率的に運用できる時
目標の売却金額に達した時
資産運用を始めるにあたって目標の金額を決めておく人もいます。その場合には目標の利益を得られる段階で売却してしまうのもありでしょう。
株価は日々値動きします。
上振れすることもあれば下振れすることもあり、毎日、波があります。そのため、目標金額に達した時点で売却し、利益確定売りをするのは良い選択肢です。
これ以上価格の上昇が見込めない時
価格が上昇を続けこれ以上は価格の上昇が見込めない。そのような時は売却すると良いでしょう。
株価の上昇は、その会社や市場の成長期待が反映されています。そのため、投資先の会社や市場の成長性が見込めなくなった場合、株価の上昇も見込めなくなります。
そのようなときは、早めに売却してしまった方が良いでしょう。
他の投資商品に資金を回したほうがより効率的に運用できる時
資産運用の方法は投資信託だけではありません。株や債券、不動産に太陽光発電などさまざまな資産運用の方法があります。
たとえば投資信託で年間2%の利益を挙げられるが、高配当株で年間5%の利回りを得られるのであれば、乗り換えるのはアリです。
投資信託に資金を回すより、他の資産運用方法の方が資金効率が良いのであれば、投資信託を売却し、他の資産運用方法に資金を回すと良いでしょう。
損失が出ている場合(損切り)
損切りとは、含み損が出ている場合(買った時より損している状態)に売却することです。赤字が膨らみすぎてこれ以上損をしないように、一定ラインで切ってしまうことから損切りと呼ばれています。
継続的に価格が下落している時
価格が継続的に下落している場合には売却してしまっても良いでしょう。
いつまで持っていてもプラスに転じず、赤字が膨らんでいくことは珍しくありません。
持ち続けていても赤字が出てしまうのであればそこで切ってしまい、別の資産運用の方法に切り替えてプラスにしていく方が良いでしょう。
大暴落した時
大暴落した時、その投資信託を持ち続けるか、損切りするかの判断に迫られるでしょう。
「大暴落した時に狼狽売りするな(損失が拡大しそうな時に慌てて売ってしまってはいけない)」という人もいます。
ただし、なぜ価格が下落したのかが重要です。
理由によっては早めに売ってしまわないと価値がなくなってしまうかもしれません。持ち続けていても、どんどん価格が下がっていてしまうかもしれません。
そのため、20%や30%価格が下落した時は売却するなど、自分の中で許容できるラインを決めておきましょう。
ここで損切りできずに価格がもっと下がり、大きな損失を被ってしまうことは、長年投資を行っている方でもよくあることです。
だめな投資信託だったと気が付いた時
投資信託には変な商品も多く、大損する人も少なくありません。
特に、銀行や証券会社がすすめる投資信託は手数料のカタマリであることが多いです。
過去には、大手の銀行や証券会社が大々的にすすめた投資信託があり、投資額の半値以下になった方が大勢でました。
「投資のプロが運用するから安心」と言う方もいますが、間にプロが入るということは、その分、その方にお支払いする報酬も必要だということです。
購入時、売却時、そして毎年の管理費として多額の手数料を支払うことになる投資信託も珍しくありません。
そのような投資信託を買っていたと気がついた場合、元本割れしていたとしてもすぐに売ってしまった方が良いでしょう。赤字が膨らんでいってしまうからです。
投資信託をいま持っている方やこれから買おうと検討している方は、下記の記事でだめな投資信託について解説していますのでご覧ください。
関連記事:投資信託で大損!?おすすめしない5つの理由を税理士が解説
投資信託をどれだけ売るか
投資信託を売る際は、次の2つの考え方があります。
- すべて売る
- 一部だけ売る
1.すべて売る
継続的に価格が下落している(赤字)ときや、もう運用予定が無いときは、保有している投資信託をすべて売ってしまいましょう。
2.一部だけ売る
投資信託を一部だけ売るのは、まだこれからも投資信託による利益が見込める場合はアリです。
価格は必ずしも、上昇を続けるわけではありませんし、一方で、(ダメな投資信託をつかまなければ)下落を続けるわけでもないからです。
また、これからも価格上昇が見込める場合に、利益確定をしたい場合には半分だけ売るといった選択肢は十分にあり得ます。
価格が高いときに売り、価格が下がってから買い増せばより多くの利益を得ることができるからです。
価格が高い低いは簡単に見極められるものではありませんが、全部売却してすべて現金化してしまうのではなく、一部だけ売却するという選択肢はアリです。
投資信託は手数料が高い
投資信託は、株を購入する際に直接その会社の株を保有するのではなく、間に証券会社を通して保有する形になります。
その分、証券会社に手数料を支払い続けることになってしまうため、日本の投資信託は結構手数料が高いです。
たとえば「グローバルソブリン」と呼ばれる投資信託では、購入時に1.65%の手数料、換金時に0.5%、そして年間1.375%の手数料がかかります。これだけ手数料をとられていては、利益を出すことができません。
そのため、日本の銀行や証券会社から投資信託を購入するぐらいであれば、一般的にはETF(上場投資信託)の方が良いでしょう。
ETFであれば年間0.03%などの超低コストの手数料で運用してくれるものもあり、年間3%~5%ぐらいの利回りであれば比較的安全に目指すことができます。
これから口座開設したい方は下記の記事をご覧ください。証券口座の開設方法やおすすめの証券会社をご紹介しています。
関連記事:【比較】証券会社のおすすめはどこ?口座開設の流れを解説
投資信託の売り時はいつがベスト?
2月に高値になりやすい、3月に売りが入りやすいといった過去の統計をとることは確かにできます。
ただし、投資信託にベストな売り時はありません。
なぜなら、過去の統計をとったところで今年も同じように動くとは限りませんし、第二、第三のリーマンショックやコロナショックが起きれば株式市場は急変するからです。
自身でリスクをとれる範囲から少しずつ手を出してみて、自分にとって心地の良い売り時を見極められるようにしていくと良いでしょう。
なお、投資信託は手数料が高いため、自身で銘柄を見極められるなら投資信託より株の方が良いです。
下記の記事で配当金生活に必要な資金や具体的な銘柄を紹介していますので、いまより生活水準を高めていきたい方はこちらの記事もご覧ください。
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