簡単に言うと、為替レートの上下を予想し、相場の上下によって利益を得る投資方法です。
FXでめちゃくちゃ稼ぐ人もいますが、一気に数百万円、数千万円失う方も多く見て来たので気を付けましょう。
この記事では、投資家税理士 坂根が解説します。
ポイント
- FXは為替レートの上昇相場、下落相場どちらでも利益を出せる
- 予測が当たれば良いが、外すと大損
- いまの時代は投資元本以上の損失は基本的に無い
- 一瞬で数百万円失う可能性あり
- FXはリスクがあるので、原則元本割れしない年利1-3%の利息が手に入るFundsの選択肢もアリ
関連記事:【年利3%】安定利息収入Fundsの評判は?税理士が解説
\10,000円分のAmazonギフト券がもらえる/
8月31日までに投資を行った方全員に、投資金額に応じて最大10,000円分のAmazonギフト券がもれなくもらえるキャンペーン!
【FX入門】どんな仕組み?
FXは「Foreign Exchange」を略したもので、日本語では「外国為替証拠金取引」とも呼ばれます。
FXは為替レートの上下を予想し、利益を得る投資方法です。
たとえば、110万円を1万ドル(1ドル110円)に両替えし、外貨預金として保管したとします。
その後、1ドル120円になれば120万円として引き出すことができます。
また、1ドル90円になっていれば90万円として引き出すことができます。
すると、最初の110万円から比べると、1ドル120円になれば10万円の儲けが出て、1ドル90円になれば20万円の損失が出ます。
為替レートの変動 | 利益または損失 |
1ドル110円→120円 | +10万円 |
1ドル110円→90円 | -20万円 |
これがFXの基本的な仕組みです。
ただ、これだけだと外貨預金と何も変わりませんよね?
FXの特徴は、大きく次の3点にあります。
ポイント
- 差金決済を行う
- レバレッジをかけられる
- 「売り」から入れる
差金決済を行う
FXでは差金決済を行い、現物の取引を行いません。
つまり、米ドルやユーロなど、いちいち現物で外貨を買ったり売ったりということをしません。
1ドル108円が109円になったり107円になったりしますが、この値動きした差額分だけを儲けたり、損したりする仕組みになっています。
FX業者に「証拠金」を預け、儲かれば証拠金にプラスされ、損すれば証拠金からマイナスされます。
「売り」から入れる
FXは「売り」から入ることができます。
たとえば、いま日本円しか持っていない状態で1ドル108円で売りから入った場合、107円になったときに儲けが出ます。
通常、現物であればドルを「買う」という行為から入り、1ドル108円が109円、110円と円安に振れたときにしか儲けることができませんが、「売り」から入れば円高に振れたときに儲けることができます。
レバレッジをかけられる
レバレッジとは、自分の持っているお金より大きな金額の取引ができることを言います。
たとえばお金が100万円あり、レバレッジが25倍であれば2,500万円分までの取引を行うことができます。
そのため、少ない資金から高額な利益を狙えるということで、一攫千金、宝くじを狙う方がいます。
レバレッジをどれだけかけられるかはFX業者によって異なりますが、概ね次の通りです。
- 日本国内の業者:最大25倍(法人は100倍)(金融庁の認可ありを前提)
- 海外の業者:1,000倍近く
日本でも、以前は法人は400倍などレバレッジをかけられましたが、だんだん規制がかかってきています。
大きく稼げる可能性は減りますが、大きく損する可能性も減ったため、安全な環境が整ってきています。
FXの税金は?
FXは利益が出たら所得税の確定申告が必要です。
赤字ならあまり考える必要はありませんが、FXで儲けが出れば確定申告が必要です。国内FXか海外FXかによって税率等が変わります。
FXは株と異なり原則確定申告が必要
株式投資の場合は証券会社が税金計算を行い、必要な税金を源泉徴収(天引き)してくれる特定口座と呼ばれる仕組みがあります。
そのため、特定口座を利用すれば株の場合は基本的に確定申告を行わなくても問題ありません。
一方で、FXには特定口座の仕組みがありません。そのため、原則として確定申告が必要です。
関連記事:【初心者向け】株の買い方、売り方を投資家の税理士が解説
FXで利益が出た場合は確定申告
FX で利益が出た場合には、所得税と住民税の確定申告が必要です。 ただし、次の注意点があります。
- 所得税の確定申告を行った場合、住民税の確定申告は不要です(所得税の確定申告を行った場合、その申告内容が住民税の確定申告と連動する仕組みになっているため)。
- サラリーマンの場合に給与所得及び退職所得以外の所得(FXなど)が20万円以下など一定の要件を満たした場合には、所得税の確定申告は行う必要がありません。
- 所得税の確定申告を行わない場合、 給与所得及び退職所得以外の所得(FXなど)による所得が20万円以下であっても住民税の確定申告は必要です。
FXで赤字が出た場合も確定申告
FX で赤字が出た場合、確定申告を行っておいた方が良いと考えられます。
税金は、「儲け」に対して課税が行われます。
つまり、赤字部分には所得税、住民税が課税されません。そのため、一見すると確定申告を行わなくても良いように見受けられます。
しかし、例えば次の場合にはいかがでしょうか
年度 | 利益 |
2018年 | +50万円 |
2019年 | △80万円 |
2020年 | +100万円 |
この場合には、2018年にはプラスの50万円に対して所得税と住民税が課税されます。
そして、2019年は赤字のため所得税住民税が課税されません。 ただし、2020年に黒字が100万円生じているため、100万円に対して所得税、住民税が課税されることになります。
2019年に80万円赤字だったのを2020年の黒字100万円から引くことができないのか、そう思うかもしれません。
これは、確定申告を行った場合に限り、2019年に生じたマイナス80万円を翌年以降3年間にわたって繰り越すことができます。
つまり、2019年に生じた赤字80万円を2020年に生じた100万円から差し引くことができ、2020年は差引20万円に対して所得税と住民税が課税されることになります。
ただし、これは確定申告を行うことなどが要件となっています。そのため、赤字が生じた場合には確定申告を行っておいた方が良いでしょう。
※国内FXを前提としています。海外FXの赤字は繰り越せないと考えられます。
年間取引報告書を基に確定申告
国内のFX業者であれば、業者ごとに名称が異なりますが、次の書類が発行されることが一般的です。
- 「年間損益報告書」
- 「年間取引報告書」
- 「金融商品年間取引報告書」
これらで既に利益計算がされていると思いますので、これを基に確定申告を行えば良いでしょう。
FXの税金
所得税の区分
所得税は儲けの種類によって、次の10種類に区分されます。
- 利子所得
- 配当所得
- 不動産所得
- 事業所得
- 給与所得
- 退職所得
- 山林所得
- 譲渡所得
- 一時所得
- 雑所得
FXは上記のうち、通常「雑所得」に該当します。雑所得とは他の9種類のどれにもあてはまらない所得であり、税金の観点からは一番高くなりやすい所得です。
なお、仮想通貨の儲けも同じく雑所得に区分されますが、雑所得に区分される所得は株などと比べ、同額の儲けが出たときにかかる税金が高くなりがちです。
FXの儲けは雑所得
FXの税金は国税庁が取り扱いをまとめていますので、こちらが参考になるでしょう(No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係)。
利益が出た場合には、申告分離課税で利益に対して一律20.315%(所得税15.315%+住民税5%)が課税されます。
ただし、海外FXの場合は通常「金融商品取引業者(第一種金融商品取引業を行う者に限ります。)又は登録金融機関以外との取引」に該当し、総合課税による申告が必要になると考えられます。
総合課税の場合には、自身の給料などFX以外の所得とあわせ、15~55%の所得税、住民税が課税されることになります。
FX業者 | 課税の方法 | 税率 |
国内FX | 分離課税(給与などと別で、FX単体の儲けに、右の税金を課税) | 20.315% |
海外FX | 総合課税(給与などとFXの儲けを含めて右の税金を課税) | 15%~55% |
海外FXは最大55%と、極めて高いように見えますが、これは所得(儲け)が1,800万円を超えた場合の話しです。
逆に、給与所得(給料から55万円など一定額を引いた所得税計算上の給与による儲け)と海外FXの儲けの合計が195万円以下であれば、かかる税金は15%ですので、海外FXの方が税金面では有利という話になります。
いずれにせよ、初めからそんな莫大に儲けられることは無いでしょうから、税金面ではどちらも大差ありません。
FXの口座開設方法
FXの口座開設は簡単です。 銀行口座や証券口座を開くのとたいして変わりありません。
- インターネットから申し込んで口座開設
- 口座に運用資金を振り込み
- 口座内で取引開始
こういった順番です。これから口座開設したい方は下記の記事をご覧ください。
関連記事:【超簡単】FXの始め方を資産運用に強い税理士が解説
FXで稼ぐのはむずかしい
為替相場の上下を読むことは難しいです。
また、通常、放っておくとスワップ(利息)がどんどんかかっていくため、いつまでもポジションを持っておくこともできません。
1年後などの状況がある程度予測できたとしても、1時間後などにどう動いているかを判断するのは値動き(チャート)だけ見ていて判断がつくものでは無いと思います。
そのため、FXはギャンブル要素が強いです。
短期的に稼ぐことができても、長期的に稼ぎ続けるのはむずかしい世界であり、弊社の税理士業のお客さんからも、昔は数千万円稼いでいた方がそのお金をすべて溶かしたという話も聞くことがあります。 堅実に稼ぎたいのであれば株式投資の方が良いでしょう。配当金だけで年間3%ぐらいは安定して手に入ります(参考記事:憧れの配当金生活にはいくら必要?現実的には1億円)。
また、もし一攫千金を狙うにしても、いまは仮想通貨の方がよほど魅力的かと思います。
外れればゼロになる可能性はありますが、当たれば億万長者になれる可能性があります。
これから口座開設したい方は下記の記事をご覧ください。開設方法をわかりやすくご紹介しています。