MO(アルトリアグループ)の配当利回りは約8%です。MOは世界最大のたばこメーカーであり、配当利回りは約8%です。
たばこは世界的に規制する方向で動いており、また、たばこの製造販売は法規制がかかりやすいビジネスです。そのため、将来的に株価が大きく上がることは無いと思いますが、規制による下落リスクがあることは見込んでおくと良いでしょう。
この記事では、投資家税理士 坂根が解説します。
ポイント
関連記事:【年利3%】安定利息収入Fundsの評判は?税理士が解説
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MO(アルトリアグループ)の配当金利回りは約8%
2022年7月現在、約8%です。
一般的に配当利回りが3~4%で「高配当」と言われる中、MOの約8%は約2倍と、非常に魅力的な利回りです。
日本の年収の中央値が399万円のため、理論上5,000万円分をMO株に投資することで配当金生活が可能です。
MOの配当金に関して、ポイントは次の4つです。
ポイント
- 配当金は年4回、1月、4月、7月、10月にもらえる
- 1口当たりの配当金は約120円、年間480円
- MOの配当金は増配傾向
- 配当性向は76%
配当金は年4回、1月、4月、7月、10月にもらえる
MOは年に4回の配当金をもらえます。1月、4月、7月、10月です。
年間トータルでの配当利回りが約8%のため、1回当たりの配当金は株価×2%をイメージしておくと良いでしょう。
2022年の配当スケジュール
MOの2022年の配当スケジュールは次の通りです。
権利確定日 | 支払期日 |
2022年3月25日 | 2022年4月29日 |
2022年6月15日 | 2022年7月11日 |
2022年9月15日 | 2022年10月11日 |
2022年12月22日 | 2023年1月10日 |
配当金支払日の約1ヶ月前が権利確定日となり、この日にMOの株を保有していることで配当金をもらうことができます。
MOの配当金推移
MOは50年間連続増配しており、2002年1月には0.58ドルだったのが2022年7月には0.9ドルと、20年間で1.6倍になっています。
MOの過去20年の配当金推移は次の通りです。
配当金支払日 | 配当金(USD) | 配当金(円) |
2002年1月10日 | 0.58 USD | 80円 |
2002年4月10日 | 0.58 USD | 80円 |
2002年7月10日 | 0.58 USD | 80円 |
2002年10月10日 | 0.64 USD | 88円 |
2003年1月10日 | 0.64 USD | 88円 |
2003年4月9日 | 0.64 USD | 88円 |
2003年7月8日 | 0.64 USD | 88円 |
2003年10月9日 | 0.68 USD | 94円 |
2004年1月9日 | 0.68 USD | 94円 |
2004年4月12日 | 0.68 USD | 94円 |
2004年7月9日 | 0.68 USD | 94円 |
2004年10月12日 | 0.73 USD | 101円 |
2005年1月10日 | 0.73 USD | 101円 |
2005年4月11日 | 0.73 USD | 101円 |
2005年7月11日 | 0.73 USD | 101円 |
2005年10月11日 | 0.8 USD | 111円 |
2006年1月10日 | 0.8 USD | 111円 |
2006年4月10日 | 0.8 USD | 111円 |
2006年7月10日 | 0.8 USD | 111円 |
2006年10月10日 | 0.86 USD | 119円 |
2007年1月10日 | 0.86 USD | 119円 |
2007年4月10日 | 0.86 USD | 119円 |
2007年7月10日 | 0.69 USD | 95円 |
2007年10月10日 | 0.75 USD | 104円 |
2008年1月10日 | 0.75 USD | 104円 |
2008年4月10日 | 0.75 USD | 104円 |
2008年7月10日 | 0.29 USD | 40円 |
2008年10月10日 | 0.32 USD | 44円 |
2009年1月9日 | 0.32 USD | 44円 |
2009年4月10日 | 0.32 USD | 44円 |
2009年7月10日 | 0.32 USD | 44円 |
2009年10月9日 | 0.34 USD | 47円 |
2010年1月11日 | 0.34 USD | 47円 |
2010年4月9日 | 0.35 USD | 48円 |
2010年7月9日 | 0.35 USD | 48円 |
2010年10月12日 | 0.38 USD | 52円 |
2011年1月10日 | 0.38 USD | 52円 |
2011年4月11日 | 0.38 USD | 52円 |
2011年7月11日 | 0.38 USD | 52円 |
2011年10月11日 | 0.41 USD | 56円 |
2012年1月10日 | 0.41 USD | 56円 |
2012年4月10日 | 0.41 USD | 56円 |
2012年7月10日 | 0.41 USD | 56円 |
2012年10月10日 | 0.44 USD | 61円 |
2013年1月10日 | 0.44 USD | 61円 |
2013年4月10日 | 0.44 USD | 61円 |
2013年7月10日 | 0.44 USD | 61円 |
2013年10月10日 | 0.48 USD | 66円 |
2014年1月10日 | 0.48 USD | 66円 |
2014年4月10日 | 0.48 USD | 66円 |
2014年7月10日 | 0.48 USD | 66円 |
2014年10月10日 | 0.52 USD | 72円 |
2015年1月9日 | 0.52 USD | 72円 |
2015年4月10日 | 0.52 USD | 72円 |
2015年7月10日 | 0.52 USD | 72円 |
2015年10月9日 | 0.565 USD | 78円 |
2016年1月11日 | 0.565 USD | 78円 |
2016年4月11日 | 0.565 USD | 78円 |
2016年7月11日 | 0.565 USD | 78円 |
2016年10月11日 | 0.61 USD | 84円 |
2017年1月10日 | 0.61 USD | 84円 |
2017年4月10日 | 0.61 USD | 84円 |
2017年7月10日 | 0.61 USD | 84円 |
2017年10月10日 | 0.66 USD | 91円 |
2018年1月10日 | 0.66 USD | 91円 |
2018年4月10日 | 0.7 USD | 97円 |
2018年7月10日 | 0.7 USD | 97円 |
2018年10月10日 | 0.8 USD | 111円 |
2019年1月10日 | 0.8 USD | 111円 |
2019年4月30日 | 0.8 USD | 111円 |
2019年7月10日 | 0.8 USD | 111円 |
2019年10月10日 | 0.84 USD | 116円 |
2020年1月10日 | 0.84 USD | 116円 |
2020年4月30日 | 0.84 USD | 116円 |
2020年7月10日 | 0.84 USD | 116円 |
2020年10月9日 | 0.86 USD | 119円 |
2021年1月11日 | 0.86 USD | 119円 |
2021年4月30日 | 0.86 USD | 119円 |
2021年7月9日 | 0.86 USD | 119円 |
2021年10月12日 | 0.9 USD | 125円 |
2022年1月10日 | 0.9 USD | 125円 |
2022年4月29日 | 0.9 USD | 125円 |
2022年7月11日 | 0.9 USD | 125円 |
※1ドル139円で換算
1株当たりの配当金は増配傾向です。
2007年7月・2008年7月には減配しているように見えますが、クラフトフーヅ、フィリップ・モリス・インターナショナルをスピンオフした影響のため、あまり気にする必要は無いでしょう。
1株当たりの配当金は約120円、年間480円
直近の2022年7月の配当金は1株あたり0.9ドルで約120円です(1ドル139円換算)。配当金の支払いは年4回ですから、1株あたり、年間約480円の配当金をもらうことができます。
MOは2022年7月現在1株42ドル(約6,000円)ですから、100株(60万円)投資すれば年間配当が48,000円、1,000株(600万円)投資すれば年間480,000円の配当金です。
年間480,000円の配当金収入が得られたら生活の一部は十分に補填できるため、MOに魅力を感じる方は多いですね。
MOの配当金は増配傾向
画像:MOの配当金推移
MOは基本的に増配を続けています。2007年・2008年にはスピンアウトの影響で配当金が下落している時期はありますが、基本的に配当金チャートは右肩上がりです。
増配率は年によって変動があるものの、配当利回りが高い、配当金が長期に渡って増配しているというのは株保有の大きなアドバンテージとなるでしょう。
配当性向は76%
MOは、利益のうち76%を配当金として株主に還元しています。
たばこ産業は成長期の業界ではないため、これ以上の事業投資がほとんどいらず、利益の大半を株主に還元しているということですね。
もちろん、昨今の健康意識から今後従来のたばこのみでは経営が難しくなる可能性がある点と、配当性向が80%と、今後利益が大きく伸びない限りは増配を続けていくことがむずかしくなる可能性はあります。
ただし、日本企業の配当性向は30~40%程度が平均値となっているため、MOの株主還元意識の高さが伺えます。
MO(アルトリアグループ)はどんな会社?
MOは世界最大のたばこメーカーで、高配当株として人気です。
2003年まではフィリップ・モリス・カンパニーズという社名でした。また、2008年にはアルトリアグループからフィリップ・モリスを分離しました。
現在はフィリップ・モリスの米国内会社となっており、「マールボロ」・「アイコス」など、日本国内でも頻繁に見かける銘柄の販売を米国で行なっています。フィリップ・モリスは米国以外の地域を担当しています。
なお、MOは2022年7月現在S&P500の採用企業であり、米国高配当株式ETFのVYMの構成銘柄の1つにもなっています。
社名 | Altria Group Inc(アルトリアグループ) |
本社 | アメリカ(バージニア州) |
ティッカー | MO |
設立日 | 1985年3月 |
従業員数 | 6,000人 |
セクター | 一般消費財 |
時価総額 | 780.2億ドル |
直近配当利回り | 8.35% |
株価(2022年7月) | 42ドル |
市場名 | NYSE(ニューヨーク証券取引所) |
MOの3つの特徴
MOの特徴は次の3点です。
ポイント
- 米国内の法規制の影響を受けやすい
- S&P500指数算出の採用企業となっている安心感
- 自社株買いに積極的
米国内の法規制の影響を受けやすい
MOは、米食品医薬品局(FDA)によるたばこの規制によって株価が大きく下がる可能性があります。
米国では、1996年にクリントン大統領の下、ニコチンを依存性のある医薬品としてFDAの管理下に置かれて様々な規制がなされています。
最近のFDAは、従来型たばこ製品に含まれるニコチン量の削減をメーカーに義務付ける方針をとっています。今後、このような米国の禁煙政策の影響を受け、株価が大きく下がる可能性があります。
また、健康リスクを受けて米国内での喫煙率は減少傾向のため、FDAの規制に加え、長期的に個人の嗜好の変化によって利益が下がっていく可能性があります。
S&P500指数算出の採用企業となっている安心感
MOはS&P500指数の銘柄の一つに選定されています。
S&P500は米国株式市場における株価指数の1つであり、アメリカの主要500銘柄の時価加重平均株価指数です。
この500銘柄は時価総額が一定以上あるか、十分な流動性があるなどの基準で選定されています。この一定の基準をクリアしている会社として保有時の安心感があります。
関連記事:【初心者向け】S&P500の買い方を投資家税理士が解説
自社株買いに積極的
MOは自社株買いに積極的です。
2018年〜2022年では約35億ドル(約4,865億円)の自社株買いを行っています。
自社株買いを行うと、市場に出回っている株数が少なくなるため1株あたりの価値が高まります。このように、MOは高配当なだけでなく、自社株買いを積極的に行うことで株主還元を行っています。
MOの事業内容
MOの主力事業は次の3つです。
ポイント
- たばこ(米国内)
- 電子たばこ
- ワイン
ただし、2022年時点ではたばこ一極集中となっています。
2021年12月期の売上構成比は次の通りです。
事業内容 | 売上構成比 |
有煙たばこ | 85.8% |
無煙たばこ | 11.7% |
ワイン | 2.3% |
その他 | 0.2% |
なお、以前は食品事業も行っており、2007年3月にスピンオフしたクラフトフーヅは世界170以上の国で製品を販売する食品会社でした。
2018年には電子タバコ大手「ジュール・ラブズ」、2019年にカンナビノイド(合法大麻)大手「クロノス」に出資している等、多角的な経営を行っています。
たばこ
主要ブランドは「マールボロ」・「バージニアスリム」など。
販売本数のうち約9割はマールボロです。販売本数は減少傾向であるものの、価格の引き上げなどで売上高を維持しています。マールボロは米国内で約50%のシェアを持っています。
米国内でたばこ規制の動きがあるため、今後は電子たばこなどの他の事業の売上を上げる必要がありますが、現時点では従来のたばこ製品が主力となっています。
電子たばこ
日本でもよく見かける電子たばこの「IQOS(アイコス)」を米国内で販売していました。
が、特許訴訟の結果により2021年9月に米国国際貿易委員会は販売・輸入禁止と決定されました。
フィリップ・モリスは今回の決定を不服として控訴する予定ですが、しばらくの期間は米国内での販売は難しそうです。
また、2018年に出資した電子タバコ大手の「ジュール・ラブズ」は2022年6月23日にFDAから米「公衆衛生基準を満たす証拠が不足している」とされ、国内での販売禁止命令が出ています。
MOはリスク低減製品へのシフトを積極的に行っているものの、電子たばこ事業は現状では厳しい状態である印象を受けますね。
ワイン
2021年12月期には2.3%の売上構成比を持っていたワイン事業ですが、2021年7月にワイン事業のSte.Michelle Wine Estatesを12億ドルで売却しています。
売却で得た資金は自社株買いに充てられるとのことです。
MOはこれまでも食品関係の企業買収を行っていましたが、結果的には事業分離を行っています。
MOは、やはりたばこ事業をメインに取り組む姿勢が見えます。
MOの株価推移
2017年までは右肩上がりの上昇傾向だったものの、ここ5年はゆるやかな下降傾向です。
世界第2位のたばこグループのBTI(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)も2017年をピークにゆるやかに下降しているため、米国たばこ産業全体のトレンドと推測できます。
MOの株価推移3つの特徴
MOの株価推移の傾向としては次の3つの特徴が挙げられます。
ポイント
- ここ5年程はゆるやかな下落傾向
- コロナショックでの下落は約30%
- 株価の推移は高配当ETF「VYM」に劣る
ここ5年程はゆるやかな下落傾向
画像:MOの株価5年推移
米国では喫煙率が減少傾向であり、株価にも影響が表れています。
少し古いデータですが、2019年の18歳以上の喫煙率は16%。今後たばこの規制が厳しくなる見通しもあり、ゆるやかに下降している背景の要因と考えられます。
コロナショックでの下落は約30%
コロナショック時は一時1株34.28ドルとなり、約30%の下落が見られました。その後徐々に株価はコロナ前の水準に戻りつつあります。
米国ではたばこの売上高は減少傾向にありますが、2020年の販売本数は2037億本で2019年の2029億本から20年ぶりにわずかに増加しています。
この増加はコロナ禍のストレスによる1年限定のものと考えられます。
株価の推移は高配当ETF「VYM」に劣る
画像:オレンジ=MO、青=VYM
上記の通り、コロナショック時の2020年の下落幅はMOの方が小さいです。ただし、MOの株価は高配当ETF「VYM」と比較すると、ここ5年常に劣っています。
2020年下落時 | 直近株価(7/23) | 変化率 | |
VYM | 63.64ドル | 103.29ドル | 162% |
MO | 34.28ドル | 43.09ドル | 125% |
株価の値上がり益も欲しいならVYMの方が魅力的に映ります。
ただし、MOには配当利回り8%という大きなメリットがあり、VYMの配当利回り3%と比べると魅力的な部分もあります。
関連記事:VYMの配当金はいつ、いくらもらえる?高配当ETFによる資産運用
MOの株価の将来性2つのポイント
MOの株価が将来的にどうなるかはわかりませんが、次の2点は考慮しておくと良いでしょう。
ポイント
- 株価が大きく上がる可能性は低い
- 法規制により株価が大きく下がる可能性はある
株価が大きく上がる可能性は低い
たばこは成熟産業のため、これ以上の大幅な産業化などの今後の成長の見込みは高くないと考えられます。それに伴い、MOが今後大きく株価が上昇することは考えにくいです。
ただし、営業利益率は40%以上と、非常に利益率の良い業界という側面も持っているため、たばこ事業が続く限りは大きく株価が下がる可能性も低いと言えます。
法規制により株価が大きく下がる可能性はある
昨今の健康に対する姿勢の変化から、今後も米国内でのたばこの規制は厳しくなる方向です。FDAの動きによっては株価が大きく下がる可能性もあることを念頭に入れておきましょう。
なお、米国内では2019年12月に改定された連邦食品医薬品化粧品法によって、たばこ製品の販売対象の最低年齢が18歳から21歳に引き上げられました。
たばこ自体の規制の他、販売対象の変化など米国の動きによって株価が大きく下がる可能性がゼロではないことは認識しておくと良いでしょう。
MOを買うならSBI証券
MOは法規制などによる株価下落リスクが確かにあります。
しかし、配当利回り8%と非常に魅力ある銘柄でもあります。
MOはSBI証券で簡単に買えるため、これから口座開設したい方は下記の記事をご覧ください。
関連記事:【比較】証券会社のおすすめはどこ?口座開設の流れを解説
MOの元本割れリスクを避けたいなら
MOは、当たり前ですが元本割れリスクがあります。
そのため、利回りは1~3%と高くはありませんが、原則元本割れしないFundsも選択肢として検討しても良いでしょう。
関連記事:【年利3%】安定利息収入Fundsの評判は?税理士が解説
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