iDeCoは、やった方がお得な人もいますがデメリットも多いです。特に60歳まで引き出せないのが痛いです。
この記事では、投資家税理士 坂根が解説します。
iDeCo(イデコ)をおすすめしない7つの理由
iDeCoは「銀行が儲かる投資商品」であり、万人におすすめできるものではありません。
代表的なポイントを7つご紹介します。
ポイント
- 年収が少なければ節税効果は低い
- 60歳まで引き出せない
- 一旦加入したら掛け金を支払い続けないといけない(最低5,000円)
- 運用成果が高くないと損する
- 特別法人税1.173%が毎年かかる可能性がある
- 60歳になるまでの間に税制が変わる可能性がある
- 手数料がかかる など
年収が少なければ節税効果は低い
iDeCoは、掛金が所得税の所得控除の対象になります。
所得控除の対象になるということは、税金の支払いが減る(節税効果がある)ということです。
ただし、減らせる税金は自分の収入に応じた分しか効果がありません。
年収300万円の人、年収600万円の人がiDeCoをしなかった場合に支払う税金は次の通りです。
年収 | 給与所得控除後 | 所得税+住民税 |
300万円 | 202万円※1 | 約30万9千円(約15.3%) |
600万円 | 436万円※2 | 約89万円(約20.4%) |
※1(給与収入300万円-給与所得控除98万円)*(10%-97500)*1.021+(300万-98万)*10%
※2(600万円-164万円)**(20%-427,500)*1.021+(600万-164万)*10%
※3実際には社会保険料控除などがあるため、税額はもっと少なくなります。
年収300万円の人の税率は15.3%ですから、iDeCoで掛け金の所得控除をとっても、掛け金の15.3%分しか節税効果がありません。
つまり、1万円の掛け金を支払って1万円分の税金が減るということではなく、自分が支払っている税率分である1,530円(1万円×15.3%)分の税金しか減らないということです。
ちなみにこの数値、社会保険料控除などは一切無視した数値です。実際には税率がもっと低く計算されますし、保険料をかけていたりすればもっと税率は低いです。
そのため、節税効果は年収が低い人にはほとんどありません。
60歳まで引き出せない
iDeCoは60歳まで引き出せません。
「老後の資産形成ができる」といううたい文句ですが、いま20歳の人や30歳の人であれば、これからライフスタイルも大きく変わります。
ずっとお金が引き出せず、固定されてしまうのはデメリットでしかありません。
一旦加入したら掛け金を支払い続けないといけない(最低5,000円)
iDeCoは、原則として一旦加入したら掛け金を支払い続けないといけません。
最低の掛け金でも月5,000円で年間6万円、いま30歳であれば30年間で最低180万円支払い続けることになります。
運用成果が高くないと損する
iDeCoは運用益が非課税になります。
そのため、60歳になったときに株の利益が出ていれば、その利益に対して所得税はかかりません。
ただし、税金はそもそも儲かっている人にかけられる税金です。赤字になったときはもともとかかりませんし、特定口座のように、他の黒字の株の利益などと相殺することができませんので痛いです。
iDeCoもあくまでも投資ですので、投資で利益が出なかったら意味がないということです。
また、60歳まで解約できないため途中で損切りすることができません。
仮に30%の含み損が出ても塩漬けで、40%、50%、60%の含み損になっていくのをただ見ていることしかできなくなります。
特別法人税1.173%が毎年かかる可能性がある
iDeCoには特別法人税が毎年1.173%かかる可能性があります。
iDeCoの税制優遇はそもそも時限的であり、積立金に毎年課税される法律があります。
1999年から20年以上凍結しており、今後も復活する可能性は低いと考えられますが、30年先のことなんて誰にもわかりません。
1.173%だと、定期預金なら確実に元本割れを起こしますし、特別法人税が復活してもiDeCoは60歳まで解約できませんので、大きく損をする可能性があります。
60歳になるまでの間に税制が変わる可能性がある
特別法人税の他、給与所得控除や退職所得控除など、今後所得税法の改正が行われる可能性があります。
税制改正といって、法律は毎年大きく変わります。
サラリーマン増税などよくニュースになりますが、最近は、ちょっとずつフリーランスを優遇し、サラリーマンの税率を上げる動きになっています。
30年後もいまと同じ扱いが保証されていませんので、税制改正リスクも考慮する必要があります。
手数料がかかる
iDeCoは手数料がかかります。
ネット証券でiDeCoは手数料無料と言っているところはありますが、それは口座維持費の話しであり、国民年金基金連合会等に支払う手数料が発生します。
iDeCoで掛金を支払う場合、「国民年金基金連合会」に、加入時に2,829円の手数料を支払わなければなりません。
また、口座管理手数料が「国民年金基金連合会」に105円、「事務委託先金融機関(資産管理サービス信託銀行)」に66円、毎月発生します。
もちろん、これに加えてiDeCoの投資先が投資信託である場合、そこで運用手数料がかかります。
投資信託は手数料のカタマリである商品が多いので、証券会社はそこで儲けています。詳しくは下記の記事をご覧ください。
関連記事:投資信託で大損!?おすすめしない5つの理由を税理士が解説
iDeCoより特定口座をおすすめします
60歳までお金が固定されるのは、いまの変化の早い時代においてはリスクが高いです。
いつでも引き出せる普通預金、もしくはSBI証券などで特定口座を開設するのが良いでしょう。
節税で資産を増やすことはできません。まずは収入を増やすことから考えましょう。
関連記事:【比較】証券会社のおすすめはどこ?口座開設の流れを解説
資産運用相談
資産運用では「どういう目的で資産運用をするのか」が一番重要です。
人によって正解は違うため、背景や家族構成、財産状況などを伺いながらご相談にのっています。
そして、銀行や不動産会社にだまされて大きく損をする方はよくいます。
絶対に損したくない方や、資産を増やしたいとお考えの方は、ぜひ今すぐ以下のリンクをクリックしてお問い合わせください。
外資系証券会社で預入資産額2億円以上の方のみを担当してきた独立系ファイナンシャルアドバイザーが、口座開設から株式の売買までサポートいたします!