株式・ETF

【初心者向け】株の買い方、売り方を投資家の税理士が解説

2021年4月16日

投資家税理士 / 坂根 崇真

税理士、一般社団法人 全国第三者承継推進協会 理事、株式会社坂根ホールディングス 代表取締役 【セミナー実績】 初心者向け!資産形成手法と税金セミナー(略)(主催:サンワード貿易株式会社) など 【著書】 相続実務のツボとコツがゼッタイにわかる本 (出版社:秀和システム) 【メディア実績】 Yahoo!ニュース、livedoor ニュース、Smart News、幻冬舎GOLD ONLINE、現代ビジネス ほか 【プライベート】 株や社債をはじめ、太陽光発電設備を2基など保有する個人投資家

悩んでいる人
株の買い方や売り方がわかりません。難しそうで・・・

株は簡単に売り買いできます。Amazonや楽天で買い物できる人なら可能です。

この記事では、投資家税理士 坂根が、株の買い方・売り方について初心者向けに解説します。

ポイント

  • 株を買うためにまずは証券口座を解説する(おすすめは私も使っているSBI証券
  • 自分の証券口座にお金を振り込む(預金口座と一緒)
  • アプリや証券会社のホームページ上で買える

これから口座開設したい方は下記の記事をご覧ください。証券口座の開設方法をわかりやすく解説しています。

関連記事:【比較】証券会社のおすすめはどこ?口座開設の流れを解説

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株の売買をするために、まずは証券口座を開設する

株を買ったり売ったりするためには、まずは証券口座を開設し、お金を入金する必要があります。

そのため、次の手順を踏んでください

  1. 証券口座を開設する
  2. 証券口座にお金を入金する

証券口座を開設する

証券口座とは、証券会社で開設できる預金口座のようなものです。

銀行の預金口座はお金を預けるための口座ですが、証券会社にも同様に、お金を預けるための口座があります。この証券口座に預けたお金を基に株の売買を行うため、まずは証券口座を開設しましょう。

これから証券口座を開設したい場合、下記の記事をご覧ください。おすすめの証券会社や口座開設の流れを画像付きでご紹介しています。

まずは、手数料が安いSBI証券で口座を開設しておけば良いでしょう。

関連記事:【比較】証券会社のおすすめはどこ?口座開設の流れを解説

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証券口座の種類は大きく3種類、何を選べば良い?

証券口座には、大きく3種類あります。

  • 一般口座
  • 特定口座
  • NISA(少額投資非課税制度)

この3つです。

一般口座

「一般口座」という名前ですが、一般向けの口座ではありません。

この口座を利用した場合、サラリーマンの方であっても毎年確定申告が必要になってしまい、また、次に説明する特定口座と比べて確定申告にかかる手間が増大します。

そのため、一般口座の開設はあまりおすすめできません。

特定口座

SBI証券の利益状況

※画像は、坂根のSBI証券の利益状況(2020年時点)です。銘柄によってはマイナスですが、全体で見れば大きく利益を出しています(水色がプラスで赤色がマイナス)。

特定口座は、証券会社が株の売買利益、配当金にかかる利益を計算してくれる口座です。

なお、開設の際は「源泉徴収あり」で「株式数比例配分方式」を選択しましょう。

これを選ぶことによって、会社の給料と同様に税金を源泉徴収(天引き)してくれるため、確定申告を行わなくてもよくなります。

わたしも基本的には特定口座で取引を行っています。

NISA(少額投資非課税制度)

NISA(ニーサ)とは、年間120万円の投資額を、最長で5年間、非課税で持っておくことができる制度です。そのため、多額の投資を行わないのであればNISA口座を開設するのもアリだと思います。

NISA口座は基本的に売買手数料が無料なため、非常にお得な制度です。

ただし、NISAは儲かったときは税金がかからずラッキーですが、株価が下落して損をしたときには、特定口座と比べて税金面で損をすることになります。

なぜなら、NISAは株価が下落して損をしたとき、その損がなかったものとして、利益と相殺することができないからです。

通常、株でもうけたときは、その利益について税金がかかりますが、損をしたときには、その損失を、利益と相殺(損益通算)して税金計算を行うことができます。

しかし、NISAはもうけに対して税金がかかりませんので、反対に、損をしたときはその損失を利益と相殺することができないとされています。

そのため、損した場合のリスクを最小限に留めたいのであれば、特定口座を選ぶことをおすすめします。

証券口座への振込

証券口座を開設したあと、お金を振り込む必要があります。

当然ですが、口座を開設してもまだお金は1円も入っていません。

株の売買取引を行うためのお金を振り込みましょう。

以下の画像はSBI証券のものですが、一般的には入金指示画面があり、そこに記載されている口座(証券会社の振込先口座)に、銀行の預金口座から振り込みます。

SBI証券の入金指示画面

株の買い方

証券口座にお金を入れたら、いよいよ株の購入、売却の開始です。

株の買い方について、SBI証券のアプリを例に解説します。

国内株をアプリで買う場合

1.証券会社のアプリでログインを行う

SBI証券ログイン画面
まずはアプリを起動し、ログインを行います。

2.銘柄検索を行う

SBI証券の銘柄検索

購入したい株の銘柄検索を行います。今回は、S&P500連動の1655で検索を行うこととします。

3.取引開始

SBI証券での取引

取引したい株のチャートやニュースなどを確認することができます。取引したい場合は「取引」ボタンを押しましょう。

4.取引開始

1655の現物買い

取引開始です。現物取引(現物買)を押しましょう。

※信用取引(信用買い、信用売り)は高いレバレッジをかけ、少ない手元資金で大きな取引を行うことができます。そのため、うまくいけば莫大な利益を見込めますが、莫大な損失を被る可能性があります。初心者は手を出さない方が良いでしょう。

5.注文情報の入力

1655の現物買い詳細

1655の現物買い詳細-2

外国株をSBI証券のホームページから購入する場合

①銘柄を選ぶ

SBI証券①銘柄を選ぶ

②注文発注

SBI証券②注文発注

「指値(さしね)」は、いくらなら買いたいという金額の指定をする買い方、「成行(なりゆき)」は、いま売りたい人が希望している価格(=現在の市場価格)で買う買い方です。とても簡単です。

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用語の解説をしていきます。

用語の開設

買付余力

買付余力とは、証券口座に入っているお金です。

このお金をもとに株を買うことができ、株を売ったら、買い付け余力が増える(お金が入ってくる)ことになります。

預り区分:特定・一般・NISA

預かり区分とは、「特定口座」「一般口座」「NISA口座」の区分です。

自身で開設した口座を選択します(確定申告を基本的に行わなくて良い特定口座もしくは非課税のNISA口座が良いでしょう)。

注文種別

注文種別は通常を選択すると良いでしょう。

OCO、IFD、IFDOCOは、初心者は無視して構いません(買い注文と売り注文を同時に出す場合などの特殊な注文方法です)。

株数

今回の取引で購入する株式の数を入力します。

たとえば1株2,695円で1株だけ買いたい場合、1と入力します。

なお、日本の株は100株1,000株単位で購入するという単元株数が決められていることが一般的です。

そのため、たとえば1株当たり2,695円であっても、実際に取引できるのは100株269,500円(+購入に係る手数料)となるのが一般的です。

銘柄によって異なりますが100株単位で取引されるケースが多いように見受けられます。

なので、一般的に取引を開始する際は、まずは数十万円程度必要なケースが多いでしょう。

指値

「指値」「成行」「逆指値」とありますが、初心者の場合は「指値」か「成行」のどちらかを選択すると良いでしょう。

指値とは、買う金額をあらかじめ指定することを指します。

そのため、指値で株を買う場合、たとえば1株2,600円で購入するという金額をまず指定します。

2,695円のまま値動きしなければ買付は成立せず、株価が下落し、2,600円に下がった段階で買い注文が成立します。

成行

成行とは、現在取引されている価格で購入することを指します。そのため、現在の株価が2,695円であれば2,695円で買い注文が成立します。

ただし、取引が成立するまでの間に値動きをし、2,600円に下落していれば2,600円で買うことができ、2,800円に値上がりしていたなら、2,800円で買うことになる点には注意が必要です。

逆指値は、決めた値段以上になれば買い注文が入るという注文方法です。現在の株価が2,695円ですが、2,800円に上昇した段階で買い注文を入れるといった注文方法です。

執行条件

執行条件は「なし」で良いと思います。 売買する時間帯を指定したりできます。

期間

今回の注文が有効となる期間を指定します。当日中で良いでしょう。

注文を行った当日のみ買い注文を有効とするか、2週間後3週間後まで今回の買い注文を有効とするかといった指定を行うことができます。基本的には注文を行った当日のみ有効とすれば良いのではないかと思います。

確認画面へ

取引パスワードを入力し、確認画面に移ります。

確認画面に移り、注文内容に問題がなければ注文完了です。

株を買う際の注意点

株を買う際の注意点をご紹介します。

  • 株式市場は24時間取引できるわけではない

株式市場は24時間取引できるわけではない

株式市場は24時間取引できるわけではありません。

つまり、買いたいと思ったタイミングで買えるわけではありません。

たとえば日本株を取引できる時間は次の通りです(SBI証券の場合)

  1. 午前:9:00~11:30
  2. 午後:12:30~15:00

また、米国株の取引時間は次の通りです。

  1. 標準時間:23:30~6:00(現地時間9:30~16:00)
  2. サマータイム:22:30~5:00(現地時間8:30~15:00)

日本株は日中しか取引しかできませんし、米国など、日本と時差がある国の株式は夜中にしか取引できないといった国もあります。

また、土日祝日はお休みです。

いつでも買えるわけではないことに注意してください。

株の売り方

株の売り方も、基本的には株の買い方と同様です。

現在、SBI証券の国内口座で株を持っていないため、外国株で解説していきます。

1.ログイン

SBI証券ログイン

SBI証券のWebサイトからログインを行います。

2.外国株式の取引サイトへ

SBI証券_外国株式の取引サイトへ

「外国株式」をクリックし、外国株式の取引サイトに移動します。

3.「取引」開始

SBI証券_「取引」開始

「取引」をクリックし、取引を開始しましょう。

4.「売却」を選択し、売却したい銘柄を入力

SBI証券_売却したい銘柄を入力

売却をクリックし、売却したい銘柄を選択します。

今回は、保有している株式(ETF)であるVTIを選択し、株価表示をクリックします。

5.注文内容を入力

SBI証券_注文内容を入力

買い注文と同様に、指値、成行といった価格設定などを行い、取引パスワードを入力します。

6.注文内容の確認

SBI証券_注文内容の確認

注文内容を確認し、内容に問題が無ければ「注文発注」を行いましょう。これで、株の売り注文を出すことができます。

株はギャンブル?初心者によくある誤解

よく「株はギャンブル」「株で借金を背負う」と聞くと思いますが、これらはただの誤解です。

株はギャンブルではない

株はギャンブルではありません。

株を買うと言うのは、つまり会社の持ち主になることです。

1株100円だったものが、50円になったり200円になったり、そういった株価の変動はもちろんあります。

ただし、これは勝手に乱高下するわけではありません。会社の業績や配当実績、ニュースなどによって左右されます。

会社が解散したときは解散時の会社の財産を株主に分配することになりますし、会社の業績がよければ、そのぶん会社にある財産も積みあがっていきます。

もちろん会社が赤字倒産すれば0円になってしまうかもしれません。ただし、自身が勤めている会社もいつかは倒産するかもしれませんし、そんなことを言っていては始まりません。

なお、配当を出していれば、債券や定期預金の利息のように毎年お金が入ってきます。株は決してギャンブルではありません。

株で借金を負うのはレバレッジをかけたとき

株で借金を負うのは、レバレッジをかけたときだけであり、通常、株主は出資した金額までの責任しか負いません。

株式会社は出資と経営の分離がなされているため、会社の経営を行うのは株主ではなく株主が決めた社長であり、その運用資金は、株主が出資した金額です。

株主はお金を出資し、そのお金で社長に儲けてきてもらうわけです。ここで社長が成功すれば株価は上がっていきますし、失敗すれば株価が下がり、最悪0円になります。

要するに、株を100円で買った場合、最大の損失は株価が0円になったとき、この出資額である100円を損することになるのみであり、借金を背負うことにはなりません。

株で借金を負うのは、レバレッジをかけたとき、つまり、信用取引を行ったときです。

信用取引は、簡単に言えば、100円しかないのに、借金をして1,000円分の株を買ったりすることです。

信用取引を行う場合、株価が上昇すれば大きく利益を出すことができますが、反対に、損すれば莫大な損失を背負うことになります。

そのため、普通の現物取引であれば借金を背負うことにはなりません

株の売却益、配当にかかる税金

株に対して税金がかかるのは、次の2つのケースです。

  • 株を売って売却益が出た場合
  • 株の配当を受け取った場合

株の売却益にかかる税金

株を売って利益が出たら、売却益に対しておよそ2割の税金がかかります。

「売った金額-買った金額」が利益ですが、この利益に対して2割です。

なお、特定口座であれば証券会社が計算してくれるため、あまり気にする必要はありません。

株の配当にかかる税金

株の配当を受け取った場合、配当金に対しておよそ2割の税金がかかります。

ただし、株の売却益同様に、特定口座であれば証券会社が計算してくれるため、あまり気にする必要はありません。

株の確定申告(特定口座の場合)は必要なの?

株の確定申告は難しそう、そう思うかもしれません。

ただし、基本的には確定申告は考えなくても問題ありません。

株の確定申告は特定口座なら原則不要

株の確定申告は、特定口座であれば行わなくても大丈夫です。

これは、儲けが出ても赤字になったとしてもです。

特定口座は証券会社が利益計算をし、納付すべき税金を売却益から源泉徴収(天引き)しておいてくれるため、確定申告は行わなくても問題ありません。

赤字なら確定申告した方が良い

赤字であっても株の確定申告は行わなくても問題ありませんが、一般的には行っておいた方が良いです。

株は売却益など、もうけに対して所得税と住民税が課税されます。ただし、赤字が出た場合は、その売却益と相殺(損益通算)して税金計算を行うことができます。

そのため、たとえば野村証券で利益が出てSBI証券で赤字の場合、両者ともに確定申告の対象に含めることで、それぞれの利益と赤字を相殺することができます(つまり、所得税・住民税の支払いを抑えることができます)。

また、確定申告を行えば、その赤字を3年間繰り越すことができます。そのため、3年以内に利益が見込まれる場合は確定申告を行っておいた方が賢明でしょう。

外国税がかかっているなら確定申告した方が良い

日本からアメリカなどの外国株を購入することができます。その場合、外国で税金がかかることがあります。これも特定口座であれば証券会社が計算を行ってくれるため、原則として確定申告を行う必要はありません。

ただし、確定申告を行い、「外国税額控除」(外国の税金を日本の所得税等の前払いと考え、日本の所得税等から差し引く制度)を行えば、少しだけお金が返ってくる可能性があります。そのため、外国税がかかっているのであれば確定申告を行っておいて損はありません。

株の始め方:初心者向けおすすめ銘柄

株の取引に正解はありませんし、すべて自己責任です。

ただ、初心者の方に向けて次の2つだけアドバイスをさせていただきます。

  • 株の初心者ならインデックス投信
  • 日本株はあまりおすすめしない

株の初心者ならインデックス投信(ETF)

インデックス投信とは、ダウ平均株価やS&P500など、株価指数と連動した動きをする投資商品です。

AmazonやAppleなど、各企業の株を「個別株」と呼びますが、個別株は、その株価が一社の業績等に左右されてしまいます。

大きくもうけが出る可能性もありますが、一方で、大損する可能性も少なくありません。一社ごとの将来性などを見極めるのはむずかしい部分があるため、株の初心者は、その市場全体に投資するインデックス投信が良いと一般的に言われています。

S&P500チャート

たとえば、S&P500は過去数十年間、きれいな右肩上がりのチャートを描いています。今後どうなるかはわかりませんが、歴史だけ見れば、どこのタイミングで買っても利益が出たということです。

S&P500連動でいうと、SPY、IVVVOOが有名ですね。これらは米国市場に上場していますが、日本の証券会社からも買い付けを行うことができます。日本で買う場合は1655 iシェアーズ S&P 500 米国株 ETFという商品もあります。

関連記事:憧れの配当金生活にはいくら必要?現実的には1億円

日本株はあまりおすすめしない

日経平均株価

日本株は高度経済成長を終え、過去30年間、株価が横ばいです。そのため、歴史を見る限りでは、日経平均株価の連動では投資を続けても利益が出ないかもしれません。

中には良い銘柄ももちろんありますが、成長性の見極めが重要です。個別株の見極めができないなら日本市場はあまりおすすめしません。

株を買うために証券口座を開設

株を売買するためにはSBI証券等の証券口座が必要です。

これから証券口座を開設される方は下記のページをご覧ください。画像付きでわかりやすく解説しています。

関連記事:【比較】証券会社のおすすめはどこ?口座開設の流れを解説

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税理士、一般社団法人 全国第三者承継推進協会 理事、株式会社坂根ホールディングス 代表取締役 【セミナー実績】 初心者向け!資産形成手法と税金セミナー(略)(主催:サンワード貿易株式会社) など 【著書】 相続実務のツボとコツがゼッタイにわかる本 (出版社:秀和システム) 【メディア実績】 Yahoo!ニュース、livedoor ニュース、Smart News、幻冬舎GOLD ONLINE、現代ビジネス ほか 【プライベート】 株や社債をはじめ、太陽光発電設備を2基など保有する個人投資家

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