花王の配当利回りは約2.5%、100株持っていると年間15,000円程もらえます。
株主優待は、花王がディズニーのスポンサーのため「ディズニーチケット」等を期待する人が多くいますが、2022年8月現在、株主優待制度はありません。
花王は「アタック」など洗濯用洗剤No.1の日本を代表する企業で、安定して配当金を受け取れると人気の銘柄です。
この記事では、投資家税理士 坂根が解説します。
ポイント
関連記事:【年利3%】安定利息収入Fundsの評判は?税理士が解説
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花王(4452)の配当金利回りは約2.5%
花王の配当利回りは2022年7月22日執筆時の終値と1株あたりの配当金合計から計算すると約2.5%です(1株当たり配当金144円÷株価5,843円)。
東証プライム銘柄の平均配当利回りは2.32%(日本経済新聞社)のため、平均的な利回りです。
決して高配当というほどの水準ではありませんが、株価上昇による売却益(キャピタルゲイン)も狙える優良銘柄です。
花王で配当金投資を検討するポイントは次の5つです。
ポイント
- 配当金は年2回、3月と9月にもらえる
- 100株保有でもらえる配当金は年間約15,000円
- ディズニーチケットなど株主優待は無し
- 配当性向は約60%、上昇傾向
- 32年連続増配
配当金は年2回、3月と9月にもらえる
花王の配当金は年2回、9月に中間配当金、3月に期末配当金がもらえます。
利付最終日(いつまでに株を買えばいいか)は12月と6月の最終営業日2日前であり、約3か月後に支払われることが多いです。
多くの日本企業は3月決算で6月、12月に配当金が支払われるため、配当金を受け取る時期を分散できることを魅力に感じている投資家も多いです。
配当金の推移
花王の配当金推移は下記の通りであり、32期連続増配中です。
年度 | 中間配当(6月) | 期末配当(12月) | 合計 |
2009年03月 | 28円 | - | 56円 |
2010年03月 | 28円 | - | 57円 |
2011年03月 | 29円 | - | 58円 |
2012年03月 | 29円 | 31円 | 60円 |
2012年12月 | 31円 | 31円 | 62円 |
2013年12月 | 32円 | 32円 | 64円 |
2014年12月 | 34円 | 36円 | 70円 |
2015年12月 | 38円 | 42円 | 80円 |
2016年12月 | 46円 | 48円 | 94円 |
2017年12月 | 54円 | 56円 | 110円 |
2018年12月 | 60円 | 60円 | 120円 |
2019年12月 | 65円 | 65円 | 130円 |
2020年12月 | 70円 | 70円 | 140円 |
2021年12月 | 72円 | 72円 | 144円 |
2022年12月(予測数値) | 74円 | 74円 | 148円 |
※2012年度から、3月決算→12月決算に変更
2020年のコロナショックから当期純利益が大幅に減少し、増配を続けてはいますが増配額は減少傾向です。
花王の製品はアジア諸国でも人気が高く、2018年まではインバウンド効果で売上は伸びていました。しかし、コロナショック後は外国人観光客の爆買いが無くなり、売上高は約8%、当期純利益は約17%減少しています。
配当金は会社の「利益」から支払われるため、利益減少が続くと増配が難しくなります。
100株保有でもらえる配当金は年間約15,000円
花王株の購入単位は100株です。100株保有した場合の2022年12月期の予想配当金額は次の通りです。
種別 | 1株当たりの配当金 |
中間配当(9月) | 74円 |
期末配当(12月) | 74円 |
合計 | 148円 |
100株×148円=年間配当金は14,800円。
2022年7月22日現在の株価は5,843円のため、100株購入するのに必要な金額は約584,300円です。
花王の1株当たりの株価は高いので、投資資金が少ない方は株価の下落時を狙わないと買いにくいですね。
ディズニーチケットなど株主優待は無し
花王はディズニーのスポンサーなので、株主優待や隠れ優待でディズニーチケットがもらえるのではと考えている人もいますが、2022年現在株主優待はありません。
公式サイトには、花王の株主は海外機関投資家が多くを占めており、全ての株主に対して公平性を保つためと理由が明記されています。
今後も株主優待が実施される可能性は低いでしょう。
ディズニーのスポンサー
花王はディズニーのスポンサーとして有名です。
ディズニーランドでは「スプラッシュマウンテン」、ディズニーシーでは「トイストーリーマニア」のスポンサーをしています。
しかし、ディズニーチケットなどの株主優待はありませんでした。
ディズニーではスポンサーラウンジが提供されていますが、株主は予約ができません。
使用できるのは「企業の社員とその家族」「取引先の顧客」など限定的です。ちょっと残念ですね。
隠れ優待なし
隠れ優待とは、「条件を満たせばもらえる株主優待」のことです。
一般的に議決権の行使やアンケートへの回答などの条件が設けられています。
花王は隠れ優待も存在しませんでしたが、株主総会に出席すると豪華なお土産がもらえると評判です。
お土産内容は毎年違いますが、次のように、毎年6点ほどの自社製品の詰め合わせがもらえます。
ポイント
- アタックzero
- メンズビオレ
- 蒸気でホットうるおいマスク など
配当性向は約60%、市場平均の2倍と高めのため増配余力は多くはない
2021年12月期の配当性向(利益のうち配当に回した割合)は約60%です。
東証プライムの市場平均は30%前後なので、平均の2倍です。まだ数年は増配できそうですが、増配余力はそこまでありません。
花王は配当性向40%を目指していますが、2020年のコロナショックで利益が減り、配当性向が高くなっています。
減配による株価下落を起こさないためにも、利益を増やして配当性向40%を実現してほしいところです。
32年連続増配
花王は32年連続増配中であり、日本の増配ランキング単独1位の銘柄です。
決算短信では、2022年12月期も増配予定を発表しています。
しかし、2021年と2022年の第1四半期では、売上高は8.2%上がっているにも関わらず、四半期利益は28.4%減っています。
画像:決算短信
花王は2022年12月期の予想で前期比売上高5%、当期純利益6.7%の増収増益を見込んでいます。
2022年4月~12月でどれだけ利益を伸ばせるかが、今後の増配継続の鍵になります。
花王(4452)はどんな会社?
花王株式会社(4452)は、東京都中央区に本社をおいている消費財化学のメーカーです。
次のように、誰もが知る製品を数多く開発しています。
- シャンプーの「メリット」
- スキンケアの「ソフィーナ」
- 歯磨き粉の「クリアクリーン」
- おむつの「メリーズ」
- 入浴剤の「バブ」
- 洗剤の「アタック」 など
実は配当金の連続増配ランキング1位を取り続けている、投資家からも人気の高い銘柄です。
会社名 | 花王株式会社 |
コード | 4452 |
市場 | 東証プライム(旧:東証一部) |
設立年月日 | 1940年5月21日 |
従業員数(連結) | 約33,000人 |
主な事業内容 | シャンプーやスキンケアなど日用品の製造、販売 |
資本金 | 約854億円 |
決算期 | 12月31日 |
直近配当利回り | 2.46% |
株価 | 5,843円 |
※執筆時点筆者調べ
花王の事業の特徴を3つ挙げると次の通りです。
ポイント
- 洗濯用洗剤のシェアが国内で圧倒的1位
- 実は化粧品国内シェア2位(資生堂の次)
- 高機能な原材料を生み出せる開発力がある
洗濯用洗剤のシェアが国内で圧倒的1位
花王は、洗濯用洗剤の国内シェアNo.1です。
1987年にアタックが発売開始されて以来、洗濯用洗剤のトップを走り続けています。
2019年に洗濯用洗剤の主力商品である「アタック」は、片手で洗剤を注入できる「ワンハンドプッシュボトル」の容器にリニューアルしました。
使いやすさとともに、「汚れ」「生乾き」「洗剤残り」のゼロを目指して、商標を「アタックZERO」に変更しています。
花王の洗濯洗剤が使用され続ける理由は、常に消費者ニーズに合わせて商品を進化させてきた企業努力といえるでしょう。
実は化粧品国内シェア2位(資生堂の次)
花王は日用品のイメージが強いですが、実は化粧品の国内シェア2位の企業です。
「KANEBO」「SUQQU」「RMK」「KATE」などの化粧品から、「SOFINA ip」「Cre'l」などの基礎化粧品を展開しています。
化粧品事業は、2006年にカネボウを買収し、国内シェアを伸ばしてきました。
2006年の化粧品事業の売上高は、全体の約11%しかありませんでしたが、2021年では約17%まで売上比率が伸びています。
※花王公式サイトより
高機能な原材料を生み出せる開発力
花王は原材料の開発から商品を一貫生産しているので、生産コストを抑え、無駄のないサステナブルな商品を生み出しています。
その高い開発技術から作られる原材料は、界面活性剤や香料などの「天然油脂」、半導体製造用薬剤などの「情報材料」まで多種多様です。
花王で開発された原材料は自社製品だけでなく、幅広い分野の産業に販売しています。
原材料自体でも利益を生み出すことができる企業です。
花王の株価推移
花王の株価は、2022年7月22日の執筆時点で、5,843円です。
株価推移表を見ると、2020年頃から下落傾向です。
画像:花王の上場来株価推移
花王の株価の特徴は次の通りです。
ポイント
- 国内市場で優位なため、2013年から2020年まで強かった
- 原材料の価格が高騰すると利益率が下がりやすい
- 日用品セクターは需要が安定しているため、不景気にも強い
国内市場で優位なため、2013年から2020年まで強かった
花王は国内市場で圧倒的な日用品のシェアを獲得しているため、2020年まで株価は右肩上がりに推移していました。
しかし、9,000円台だった株価が2022年現在、5,000円台まで下がってます。
下落の理由は、コロナで外出する人が減り化粧品事業の売上が下がったことや、原材料高騰などで、当初予定していた営業利益を下回った結果、投資家からの売り圧力が強まったからと考えられます。
こればかりはどうしようもないですね。
原材料の価格が高騰すると利益率が下がりやすい
原材料が高騰すると、商品を作るコストがかかり利益が下がりやすいです。
原材料高騰のコストを、商品販売価格に全て反映することは難しく、利益率が下がります。
一方、花王はケミカル事業として油脂製品などの原材料を販売しています。
原材料高騰によりケミカル事業の売上は伸びており、事業全体の利益率下落を最小限に留めています。
原材料の価格が戻れば、値上げした商品販売価格を据え置くことで、長期的にみると利益率が上がり、株価に貢献する可能性もありますね。
日用品セクターは需要が安定しているため、不景気にも強い
花王の主力商品である日用品は、毎日使うものなので需要が安定しています。
「不景気だからシャンプーや洗濯用洗剤を使用しない」という人はいないでしょう。
景気後退場面でも強く、株価も安定的なことから「ディフェンシブ株」としても人気です。
花王(4452)の株保有者の評価
花王の口コミを集めました。
自分の納得できるタイミングでコツコツ買っていくのが一番ですね☺️
花王は、ここ暫くは苦境に喘いでますが、いつか復活する可能性の高い優良の中の優良企業だと思ってます!— ポメまる@高配当株投資 (@pomemaru5109) July 27, 2022
まるでジェットコースターのような乱高下相場😱
このような状況下、安定した配当金は心の支えにもなります✨ここで重要なのは「安定」です。
短期的な高配当ではなく、長期にわたって減配しない増配銘柄に投資するのがオススメ😉
国内なら三菱商事や花王、米国なら $VIG あたりですかね😊— 猫になりたい🐈⬛@技術系公務員×コツコツ投資 (@nekonari8823) June 13, 2022
本日の購入
✅花王
一時は含み損が25%にもなっていた銘柄ですが、ナンピン&株価回復に伴い含み損は10%を切りました。
このままいけば、おそらくプラ転するでしょう。「良い銘柄は、一時的に株価が下がっても買い増しできる」
成功体験として、今後の高配当投資に自信が持てました。#ネオモバ
— ばらもんblog@高配当株&看護師ブログ (@baramonnblog) July 14, 2022
2022年7月現在、次のコメントが多いです。
ポイント
- 連続増配しており、配当金が安定してもらえるのが嬉しい
- 値下がりしたら買い増したい
連続増配しており、配当金が安定してもらえるのが嬉しい
32期連続増配中なので、安心して購入できると人気でした。
配当金が安定していると、固定収入による長期資金計画が立てやすい利点があります。
株価は急騰落のリスクがありますが、配当金は会社が安定して利益を出し続ける限り、株を保有していると毎年支払われます。
花王は短期で稼ぐより、長期保有向きの銘柄といえるでしょう。
値下がりしたら買い増したい
口コミでは、「一時的に下がったら買い増しする」などのコメントが多数ありました。
花王は事業内容から、株価が一時的に下落しても、回復する可能性が高い銘柄です。
花王をポートフォリオに入れている投資家は、株価が下がっている中でもコツコツと積立購入しています。
株価下落時に買えば投資資金に対する配当利回りも上がるため、効率よく配当収入を増やしている方が多いようです。
花王(4452)を買うならSBI証券
花王の株は、SBI証券で簡単に購入できます。
しかし、花王の株は購入金額が最低約58万円からと、投資初心者にはなかなか手を出しにくい金額です。
ただ、SBI証券では、1単元未満で株を購入できる「S株」サービスがあり、もちろん配当金も受け取れます。コツコツ配当所得を積み上げていきましょう。
これから口座開設したい方は下記の記事をご覧ください。口座開設方法をわかりやすく解説しています。
関連記事:【比較】証券会社のおすすめはどこ?口座開設の流れを解説
元本割れをしたくないならFunds
花王は日本を代表する優良企業ですが、株式投資は価格変動リスクがあるため元本割れする可能性はゼロではありません。
元本割れを割けて配当金を手に入れたい場合は、上場企業等にお金を貸し、年利1-3%の利息がもらえるFundsも選択肢としてアリでしょう。
関連記事:【年利3%】安定利息収入Fundsの評判は?税理士が解説
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