配当金の再投資をするぐらいなら、無配当銘柄で良いんじゃないでしょうか。特に高配当株の場合は配当金の再投資をおすすめしません。
この記事では、投資家税理士 坂根が解説します。
ポイント
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配当金再投資をした場合の複利効果
配当金を再投資した場合、複利効果を得ることができます。
複利効果とは、受け取った配当金を原資に、さらに配当金を受け取ることでどんどん金額が大きくなっていくことを言います。
3%の配当金を受け取って再投資した場合、翌年は3%の3%(=0.09%)の配当金がつき、翌年にはさらにその3%(0.0027%)の配当金がつきます。このように、雪だるま式に増えていきます。
たとえば、100万円を投資し、年3%の配当金を受け取り、全額再投資した場合は次の通りです。
年初残高 | 配当金収入 | 年末残高 | |
1年後 | 1,000,000 | 30,000 | 1,030,000 |
2年後 | 1,030,000 | 30,900 | 1,060,900 |
3年後 | 1,060,900 | 31,827 | 1,092,727 |
4年後 | 1,092,727 | 32,781 | 1,125,508 |
5年後 | 1,125,508 | 33,765 | 1,159,273 |
6年後 | 1,159,273 | 34,778 | 1,194,051 |
7年後 | 1,194,051 | 35,821 | 1,229,872 |
8年後 | 1,229,872 | 36,896 | 1,266,768 |
9年後 | 1,266,768 | 38,003 | 1,304,771 |
10年後 | 1,304,771 | 39,143 | 1,343,914 |
※1 単位:円
※2 所得税、住民税は考慮しない
※3 購入手数料は考慮しない
受け取った配当金をすべて再投資した場合の10年後の残高は、100万円+3万円×10年で130万円ではなく、1,343,914円となります。
10年間で4万円の差がつき、20年で20万円の差がつき、30年もたてば52万円もの差がつきます。
長い期間投資できるのであれば、再度投資に回した場合の複利効果はとても大きなものとなります。
高配当株の配当金再投資はおすすめしない2つの理由
配当金の再投資は良い面も悪い面もあり、特に高配当株の配当金再投資はおすすめしません。
上記で説明したように、配当金を再投資した場合とそうでない場合では、長期間で見れば非常に大きな差がつくことがわかります。
しかし、見落としてはいけないポイントがあります。
ポイント
- 手数料が考慮されていない
- 配当金を受け取るたびに源泉税20%が引かれるため投資効率が悪い
手数料が考慮されていない
複利効果が語られる際、手数料について一切考慮されていないケースが少なくありません。
SBI証券は手数料がかなり安いですが、たとえば、米国株の場合は購入手数料が0.495%かかります。約0.5%です。
高額投資を行う場合には、手数料が打ち止めになることはありますが、配当金をちまちま再投資した場合は、そのたびに0.5%近い手数料がかかってしまいます。
3%の配当金から手数料0.5%を引いて、2.985%(3%*(100%-0.5%))の複利計算をした場合は次の通りです。
年初残高 | 配当金収入 | 年末残高 | |
1年後 | 1,000,000 | 29,850 | 1,029,850 |
2年後 | 1,029,850 | 30,741 | 1,060,591 |
3年後 | 1,060,591 | 31,658 | 1,092,249 |
4年後 | 1,092,249 | 32,603 | 1,124,852 |
5年後 | 1,124,852 | 33,576 | 1,158,428 |
6年後 | 1,158,428 | 34,579 | 1,193,007 |
7年後 | 1,193,007 | 35,611 | 1,228,618 |
8年後 | 1,228,618 | 36,674 | 1,265,292 |
9年後 | 1,265,292 | 37,768 | 1,303,060 |
10年後 | 1,303,060 | 38,896 | 1,341,956 |
※1 単位:円
※2 所得税、住民税は考慮しない
受け取った配当金をすべて再投資した場合の10年後の残高は、1,341,956円となります。
10年間での手数料差額が1,958円と、正直な話、手数料が低いSBI証券であればそんなに差は出ませんが、再投資手数料を考えると、投資効率は若干悪くなります。
配当金を受け取るたびに源泉税20%が引かれるため投資効率が悪い
配当金を受け取れば20%の源泉税をひかれます。そして、それを再投資した場合には税金をひかれた分投資効率が悪くなります。そのため、高配当株で配当金再投資をするぐらいであれば無配の銘柄を選んだ方が良いでしょう。
配当金を受け取るというのは、株式を一部売却し、利益確定させているのと同じ行為です。
配当金の原資は会社の儲けです。会社が儲けを出し、蓄えた財産を株主に還元するのが配当金を出すという行為です。
そのため、配当金を受け取れば理論上その分株価が下落します。
また、配当金を受け取った場合、配当金に対して20.315%の所得税と住民税がかかります。
つまり、3万円の配当金を再度投資に回そうと思ったら税引き後(約8割)の24,000円しか再度投資に回すことはできません。
そのため、高配当株で配当金をたくさん受け取ってそれを再度高配当株への投資に回すのであれば、最初から配当金を出さない銘柄を選び、その会社内で利益を出すために再度使ってもらった方が投資効率が良いはずです。
配当金が出なければその株を売却するまでは税金がかかりませんから、配当金が出ない無配銘柄の方が投資効率が良いと考えられます。
高配当株はおすすめしないと言われる理由
一般的に、株価の伸びが期待できず、高成長株の株価の伸びと高配当の株配当金を見比べた場合、高配当株は見劣りすることが多いからです。
ポイント
- 配当金の原資は会社の利益
- 配当金を出し過ぎると会社の成長にお金を割けない
配当金の原資は会社の利益
高配当株は一般的に「成熟企業」であり、今ある利益を株主に分配します。そのため、株価の伸びはあまり期待できません。
配当金の原資は会社の利益ですから、配当金を出せば出すほど会社の成長に割けるお金が無くなってしまいます。
これから伸びていく成長企業は、配当金を出さない(無配)ケースや、配当金をあまり出さずに会社の成長にお金を回すケースが多いです。
こういった成長企業は、配当金は期待できませんがそれ以上の株価の伸びを期待できます。
一方で、高配当株は今の稼ぎを株主に分配するため、「株価の伸びが期待できない」というのが高配当株をお勧めしないと言われる理由の1つです。
配当金再投資をするなら、格安手数料のSBI証券
配当金再投資は、高配当株以外では行っても良いと思います。
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関連記事:【比較】証券会社のおすすめはどこ?口座開設の流れを解説
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