5000万円あれば、利回り3%でも年間150万円です。米国ETF「VYM」やFundsで目指せる水準ですね。
この記事では、投資家税理士 坂根が解説します。
ポイント
- 5000万円あれば安全運用で年100万円、リスクをとれば億万長者
- 5000万円あればセミリタイアも可能(関連記事:5000万円あればセミリタイアできるカンタンな理由)
- 原則元本割れしない年利1-3%の利息が手に入るFundsの選択肢もアリ
関連記事:【年利3%】安定利息収入Fundsの評判は?税理士が解説
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5000万円の資産運用で見込めるリターン
5000万円あれば安全に運用しても年100万円、リスクをとれば一気に億万長者に近づけます。
もしお金が50万円や100万円しかなければ、利回り3%だと15,000円や30,000円にしかなりません。
しかし、5000万円あれば利回り3%でも年間150万円です。
5000万円というまとまったお金があれば、安全運用を行っても満足できる収入を得ることができます。
5000万円をどういう目的で運用したいのか
5000万円あれば独り身ならリタイアできますし、家族がいたとしても十分セミリタイアできる水準です(関連記事:5000万円あればセミリタイアできるカンタンな理由)。
何なら、50代であれば預金を取り崩していくだけでも困ることはないでしょう。
そのため、まず「運用で何を実現したいのか」理想を設計しましょう。
リスクをとりすぎてお金を失ってもいけませんし、もっと多額のお金が必要なのに、預金しかせずにお金がまったく増えないというのもいけません。
何をしたいのか、何のために資産運用するのかをまず考える必要があります。
5000万円を運用した場合の利回り別比較
5000万円を運用した場合、1年間で手に入る税引き後の収入は次の通りです。
利回り | 税引後利益 |
1% | 40万円 |
2% | 80万円 |
3% | 120万円 |
4% | 159万円 |
5% | 199万円 |
6% | 239万円 |
7% | 279万円 |
8% | 319万円 |
9% | 359万円 |
10% | 398万円 |
※計算式:5000万円×利回り(%)×(1-0.20315)
利回り3%なら税引き後で120万円、1か月10万円の収入です。
月10万円の収入であっても、ど田舎で質素な生活なら配当金生活は達成できそうですね。ただ、月10万円の生活じゃ暮らしていけないということであれば1億円欲しいところです。
5000万円を1億円にするための資産運用方法は?
たまに、こんな方がいます。
ムリです。もしそんな方法があれば誰もがやっていますし、情報が出回っています。
もし5000万円を1億円にしたいのであれば、ある程度はリスクをとらなければなりません。
ただし、5000万円という既に十分な資金があれば、あまりにもリスクが高い投資方法、たとえば「仮想通貨」に手を出す必要は無いでしょう。
100倍1000倍を目指すわけではないため、もっとリスクを抑えた運用を行うべきです。
もちろん、5000万円を1億円にする(資金を2倍にする)のもやはり簡単ではありません。
その場合、10年や20年などの長期目線で運用するか、個別株(トヨタやAmazonなど、個別の会社に投資すること)への投資がメインになってくるため、細々とした運用を目指すより運用の難易度が上がります。
関連記事:Amazon(アマゾン)株の買い方、株価は10年で10倍
5000万円を安全運用したいけどどうしたらいいの?
まったくリスクをとらないリスクがある
元本変動リスクをとらないのもリスクです。
5000万円を元本割れリスクゼロで安全運用、というのはムリです。
完全な元本保証がされている投資商品は円建ての預金と日本国債だけだからです。
これらに投資しても一切増えることはありません。10年たっても100年たっても一向に増えません。
さらに、これらの投資方法は、表面上お金が減ることは無くても、物価が上がるインフレリスクに常にさらされます。
身近なところで言うと、マクドナルドのハンバーガーは、20年前には59円という時代がありましたが、いまは110円と倍近い価格です。
ガソリンも1966年頃は1ℓ50円だったそうですが、180円を超える時代があったり、いまでも120円台と、過去の2倍以上の価格です。
つまり、いま持っている5000万円が、10年後には半分ぐらいの価値しか持たないことになるかもしれません。
「まったくリスクをとっていないつもり」というのが逆にリスクになるのです。
5000万円は分散投資したほうがいいの?
リスク回避のため、投資対象の分散(アセットアロケーション)は行った方が良い場合が多いです。
ただし、既にまとまった資金がある場合、時間分散はしなくても良いケースが多いと思います。
株式投資であれば、常に相場が上下します。どんなに安全と言われる銘柄であっても、投資後は上がるときもあれば下がるときもあります。そんなことを過度に気にしても意味がありません。投資しないことによる機会損失の方がよほど痛いです。
もし資金が少なく、毎月の給料から一定額積み立てていくというのであれば、ドルコスト平均法(株式等に1回で全力投資せず、数回にわけて定期的に継続投資する方法)はアリだと思います。
しかし、既にまとまった資金があるのであれば、機会損失のリスクは無視できません。
5000万円を10年間の時間分散すると626万円の機会損失
5000万円について10年間の時間分散投資を行う場合、利回り3%前提で10年間で626万円の機会損失になってしまいます。
最初に5000万円を全額投資し、10年経過した場合と、毎年500万円を10年間にわたって時間分散し、10年経過した場合の資金の差は626万円です。
<1.最初に5000万円を全額投資し、利回り3%で複利計算した場合の資金推移(単位:円)>
年初の資金 | 税引後利益(利回り3%) | 年末の資金 | |
1年後 | 50,000,000 | 1,195,275 | 51,195,275 |
2年後 | 51,195,275 | 1,223,848 | 52,419,123 |
3年後 | 52,419,123 | 1,253,105 | 53,672,228 |
4年後 | 53,672,228 | 1,283,061 | 54,955,289 |
5年後 | 54,955,289 | 1,313,733 | 56,269,022 |
6年後 | 56,269,022 | 1,345,139 | 57,614,161 |
7年後 | 57,614,161 | 1,377,295 | 58,991,456 |
8年後 | 58,991,456 | 1,410,220 | 60,401,676 |
9年後 | 60,401,676 | 1,443,932 | 61,845,608 |
10年後 | 61,845,608 | 1,478,450 | 63,324,058 |
10年後には6,332万円です。
次に、500万円を10年間にわけて分散投資した場合の計算を行います。
<2.500万円を10年間にわたって分散投資し、利回り3%で複利計算した場合の資金推移(単位:円)>
年初の資金 | 税引後利益(利回り3%) | 年末の資金 | |
1年後 | 5,000,000 | 119,527 | 5,119,527 |
2年後 | 10,119,527 | 241,912 | 10,361,439 |
3年後 | 15,361,439 | 367,222 | 15,728,661 |
4年後 | 20,728,661 | 495,529 | 21,224,190 |
5年後 | 26,224,190 | 626,902 | 26,851,092 |
6年後 | 31,851,092 | 761,416 | 32,612,508 |
7年後 | 37,612,508 | 899,145 | 38,511,653 |
8年後 | 43,511,653 | 1,040,167 | 44,551,820 |
9年後 | 49,551,820 | 1,184,561 | 50,736,381 |
10年後 | 55,736,381 | 1,332,406 | 57,068,787 |
10年後には5,706万円です。
このように、5000万円について10年間の時間分散投資を行った場合、10年間で626万円の機会損失になってしまいます。
特に、社債であれば元本価値は変動しませんから、早めに投資資金に回さなければその分だけ機会損失が生じます。
もしまとまった資金がある場合、ドルコスト平均法が正解とは限りません。
安全運用する際の資産
元本割れリスクが少なく、かつ、ある程度の定期収入が欲しいというのであれば社債が選択肢にあがります。
年利1%から5%ぐらいが入ります。
また、多少のリスクをとり、個別株を組み合わせるのも良いでしょう。一般的に、社債の利回りは株価の伸びや配当金といった株の儲けに劣後するからです。
結局はどういう資産運用をしたいのかをまず決める必要がありますので、まずは運用方針を固める必要があります。
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