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危ない!ソーシャルレンディングは失敗しやすい資産運用方法

2021年6月12日

投資家税理士 / 坂根 崇真

税理士、一般社団法人 全国第三者承継推進協会 理事、株式会社坂根ホールディングス 代表取締役 【セミナー実績】 初心者向け!資産形成手法と税金セミナー(略)(主催:サンワード貿易株式会社) など 【著書】 相続実務のツボとコツがゼッタイにわかる本 (出版社:秀和システム) 【メディア実績】 Yahoo!ニュース、livedoor ニュース、Smart News、幻冬舎GOLD ONLINE、現代ビジネス ほか 【プライベート】 株や社債をはじめ、太陽光発電設備を2基など保有する個人投資家

悩んでいる人
利回り10%ももらえる、ソーシャルレンディングって聞いたんですがどうなんでしょうか?

ソーシャルレンディングは失敗する可能性が高い、危ない資産運用方法です。

初心者は手を出さない方が良いでしょう。

この記事では、投資家税理士 坂根が解説します。

ポイント

  • ソーシャルレンディングの注意点
    • 流動性が低い
    • 貸し倒れリスクが高い
    • 発行元の信用が低い
    • 担保がない場合がある
    • 詐欺が多い
  • 上場企業等にお金を貸すFundsは利回り1~3%だが比較的安全

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ソーシャルレンディングとは?

ソーシャルレンディングとは、業者を通じて中小企業などにお金を貸す投資方法です。

お金を貸せば当然利息がつきますので、10万円を投資すれば10万円で返ってきて、加えて1万円など利息がつきます。

ソーシャルレンディングの魅力は元本価値が変動しないところと、高い金利を受け取れる点です。

年利6%や、なかには10%を超えるものもあります。

元本価値が変動せずに1年間で10%の利息がつくのは他の資産運用方法では難しいですから、ここ10年ぐらいで一気に市場が成長しています。

危ない!ソーシャルレンディングで失敗する可能性が高い理由

ソーシャルレンディングは危ないです。数ある資産運用方法の中でも失敗する可能性が高いです。

ソーシャルレンディングで失敗する可能性が高い理由は、大きく次の5つです。

注意ポイント

  • 流動性が低い
  • 貸し倒れリスクが高い
  • 発行元の信用が低い
  • 担保がない場合がある
  • 詐欺が多い

ただし、ソーシャルレンディングのなかでもFundsはお金の貸し出し先が上場企業等の大企業に限定されているため、利回り1~3%と低めですが比較的安全性は高いです。

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流動性が低い

ソーシャルレンディングは、個人投資家が業者を通して会社にお金を貸す投資方法です。最終的に貸したお金を返してもらい、利息がつくことによって利益が出ます。

ただし、ソーシャルレンディングでお金が返ってくるのは1か月後など短期ではなく、一般的に早くて半年、長いと1年後や3年後です。

ソーシャルレンディングで貸したお金は、定期預金や株のようにすぐに解約・換金できませんので、貸したお金半年~3年程、無いものとして考えなければいけません。

また、もし貸し倒れが起きそうになったとしても、「今すぐお金を返して!」と言っても返してくれませんので、貸付先の経営状況等がぐらついたとしてもどうしようも無いのが痛いです。

貸し倒れリスクが高い

ソーシャルレンディングは貸し倒れリスクが高いです。つまり、お金を貸しても返ってこない可能性があるということです。

「お金を借りたら返すのが当たり前」と考えている方も多いですが、それは自分が真面目だからです。

「お金を貸すときは返ってこないものと思え」とよく言われますが、まさしくその通りで、どこの誰ともわからない人や名前も知らない財務状況もわからない中小企業にお金を貸した場合、返ってこない確率は跳ね上がります。仮に今はお金を返すつもりがあっても、財務状況が悪化して返せない状況になる可能性だってあります。

ソーシャルレンディングは、年利5%や10%など、非常に高い金利を受け取ることができることがメリットとされていますが、それは貸し倒れリスクを背負っているからこそ高くなっているだけの話しです。

今の低金利時代、銀行の借入利率は2%や3%、良ければ1%を切るケースもあります。つまり、お金を借りたい人は銀行から借りられるのであれば銀行から借りた方が圧倒的にお得です。

それでもソーシャルレンディングでお金を集めるのは、銀行から借りられない(つまり、破綻して貸し倒れるリスクが高い)からです

ソーシャルレンディングで5%や10%の金利をうたっているところは、危険だという目で見なければなりません。

発行元の信用が低い

ソーシャルレンディングは、発行元(お金の貸し付け先)の信用が低い場合がほとんどです。つまり、お金の貸し付け先の信用情報のチェックが甘く、お金が返ってくる可能性が低いことを見抜きにくいということです。

これが国債や社債であれば、ムーディーズや格付投資情報センターなどによる格付けがされており、どのぐらい信用力があるか(お金が返ってくるか)をある程度見極めの材料とすることができます。

しかし、ソーシャルレンディングはそういった審査がされていなかったり、審査能力がない場合もあります。銀行からお金を借りられないからソーシャルレンディングで資金調達しているケースも多いので、非常に危険な投資になる可能性があります。

担保がない場合がある

ソーシャルレンディングでは、土地などの担保設定がない場合があります。

担保とは、お金の返済が滞った場合に売却等し、お金の貸し手の損害を抑えるためのものです。

住宅ローンで自宅に担保設定されるのと同様に、銀行融資の場合でも、土地などに担保設定がなされるケースがほとんどです。

しかし、ソーシャルレンディングでは、この担保設定がされていない場合があります。

つまり、お金を貸した先が返済できない状況に陥ったとしても、担保が無く、1円も取り返してもらえない場合があります。

詐欺が多い

ソーシャルレンディングでは、詐欺が多いです。

たとえば、太陽光発電事業を行うために何十億円もお金を集めたのに、太陽光発電設備の着工さえしていないといったケースが実際にあります。

中には、お金を貸したのに、その目的に沿った利用が行われていなかったり、持ち逃げされるケースもあります。

最近だと、SBIソーシャルレンディングでも貸付先の選定をきちんとしていなかったことが発覚し、行政処分を受け、ソーシャルレンディング事業からの撤退を決めました。

「SBIが運営しているから大丈夫」と安心感を持っていた方も多かったようですが、肝心な貸付先がダメだったらどうしようもありません。

危ない!SBIソーシャルレンディングですら大失敗

SBIソーシャルレンディング株式会社は、東証1部上場企業「SBIホールディングス株式会社」の100%子会社です。

SBIソーシャルレンディングは、2021年5月23日に、いまあるすべてのファンドの償還をし、自主的に撤退、廃業を決めました。

自社の顔に泥を塗らないよう、自主的に全額償還に踏み切ったようです。

そもそも、まともな会社は5%や10%の金利でお金を借りません。金利が高すぎる時点で怪しまなければなりません。

今までにも、利息支払いの遅延や貸し倒れはちらほらあったようですが、今回明るみになった問題は、想像以上にひどいです。

  • 太陽光発電の工事がまったく進捗していない(仕入れ先や下請け先など、業者への発注や支払いすらされていない)。
  • 賃貸用マンションを建築予定であったが、土地を買い、2年間放置。その後、1年間建築ストップして建物が完成していない。
  • 土地を買い、2年間放置。その後、建物の建築にとりかかっていない。 など

※参考:SBIソーシャルレンディング株式会社「調査報告書(公表版)」

URL:https://www.sbi-sociallending.jp/assets/pdf/report210428.pdf

これらは、SBIソーシャルレンディング株式会社が公表した「調査報告書(公表版)」に具体的に掲載されていますので、興味があればご覧ください。

貸付先をきちんと見極めなかったSBIソーシャルレンディングも悪いですが、そもそも、「年利10%払ってでもお金を借りたい!」なんて人がいたら、持ち逃げを疑いましょう。

危ない!ソーシャルレンディングで失敗した人たちの声

利息がゼロになったり、投資元本が返ってこなかったり、ソーシャルレンディング業者のホームページが無くなったりと、散々な目にあっている方も少なくありません。

安心できるソーシャルレンディング

基本的にソーシャルレンディングは危険です。

ただし、最近では、お金の貸付先を上場企業などに限定したFundsがあります。

Fundsの利回りは1%~3%ほどと高くはありませんが、投資先が上場企業などに限定されています。

また、伊藤忠商事株式会社や三井住友信託銀行株式会社など、名だたる企業からの出資を受けて運営されているため、持ち逃げなどのリスクは低いです(上場企業がそんなことしたら大問題ですから)。

そのため、貸付金利でお小遣いが欲しい方にとっては、選択肢の一つとしてFundsはアリでしょう。

関連記事:【年利3%】安定利息収入Fundsの評判は?税理士が解説

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投資家税理士 / 坂根 崇真

税理士、一般社団法人 全国第三者承継推進協会 理事、株式会社坂根ホールディングス 代表取締役 【セミナー実績】 初心者向け!資産形成手法と税金セミナー(略)(主催:サンワード貿易株式会社) など 【著書】 相続実務のツボとコツがゼッタイにわかる本 (出版社:秀和システム) 【メディア実績】 Yahoo!ニュース、livedoor ニュース、Smart News、幻冬舎GOLD ONLINE、現代ビジネス ほか 【プライベート】 株や社債をはじめ、太陽光発電設備を2基など保有する個人投資家

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