相続税

【相続開始日】失敗しないための相続知識を相続税に強い税理士が解説

相続税の申告期限は、相続開始日(相続開始を知った日)の翌日から10か月以内とされています。

「相続開始日」は、一般的には故人が亡くなった日を指します。

しかし、必ずしも故人が亡くなった日とは限りません。

今回は、相続税の申告期限に影響する「相続開始日」について解説します。

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なお、相続税の期限を守らなかった場合には罰金がかかります。罰金などについて動画で確認したい方はこちらをご覧ください。

相続税の申告期限は相続開始日から10ヶ月

相続税の申告期限は、「その相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内」と定められています(相続税法第27条)。

そのため、相続税の申告においては、まずはじめに「相続の開始」を確認することが必要です。

一般的には、故人が亡くなった瞬間に「相続の開始」となり、その翌日から10ヶ月以内が相続税の申告期限となることがほとんどです。

 

相続開始日とは?

「相続開始日」とは、一般的に亡くなった日のことです。

しかし、一言で死亡と言っても、

  • 自然死亡
  • 認定死亡
  • 擬制死亡

といった、いくつかの種類があります。

自然死亡

自然死亡とは、病気や怪我、老衰等による医学的な死亡のことを指します。

もっとも多いのがこの自然死亡で、たとえば病院のベッドで亡くなる場合はこの自然死亡です。

自然死亡における相続開始日は、医師が作成する死亡診断書などに記載された日付となります。

認定死亡

認定死亡は、事故や災害等で亡くなったことは確実であるが遺体が見つけられない場合などに、取り調べを行った官公署が死亡の報告を行う制度です(戸籍法第89条)。

遺体が見つからない場合に、取り調べを行った官公署が死亡日を推定します。

擬制死亡

擬制死亡とは、失踪宣告(民法第30条)によって死亡したとみなすことをいいます。

失踪宣告は、法律によって定められた一定期間生死不明の状態が経過した場合に死亡したとみなし、戸籍から除籍される制度のことです。

失踪宣告には次の2つがあります。

  • 《普通失踪(民法第30条第1項)》
    7年間不在者の生死が明らかではない場合、家庭裁判所へ失踪宣告の申し立てを行うことができます。
    審判がなされると、最後に生存を確認できた日から7年間の期間が満了したときに死亡したものとみなされ、相続が開始します。
  • 《特別失踪(民法第30条第2項)》
    戦争に行った場合や沈没した船舶に乗船していた場合、その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した場合で、その危難が去ったあと1年間生死が明らかでない場合に死亡したものとみなされ、相続が開始します。

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「相続の開始があったことを知った日」の特殊なケース

相続開始日には上記の3つのケースが考えられます。

では、相続の開始があったことを「知った日」とはいつのことでしょうか。

「相続の開始があったことを知った日」とは、自分のために相続の開始があったことを知った日を指しますが、たとえば下記の9つのケースでは、それぞれ定められた日を以って「相続の開始があったことを知った日」とします(相続税法基本通達27-4)。

  • 失踪宣告
  • 相続人にかかる失踪宣告
  • 失踪宣告の取り消し
  • 認知の訴え
  • 相続人の廃除
  • 胎児
  • 幼児等
  • 遺贈
  • 停止条件付の遺贈

パターン別に解説します。

失踪宣告

民法第30条及び第31条の規定により失踪の宣告を受け死亡したものとみなされた者の相続人又は受遺者→これらの者が当該失踪の宣告に関する審判の確定のあったことを知った日
参照:相続税法基本通達27-4

失踪宣告を受けて死亡したとみなされた方の相続人は、家庭裁判所による失踪宣告に関する審判の確定のあったことを知った日を「相続の開始があったことを知った日」とします。

普通失踪、特別失踪、どちらも利害関係者の請求によって行われるものですが、相続税の申告期限は、この失踪宣告の審判の確定のあったことを知った日の翌日から10ヶ月以内となります。

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相続人にかかる失踪宣告

相続開始後において当該相続に係る相続人となるべき者について民法第30条の規定による失踪の宣告があり、その死亡したものとみなされた日が当該相続開始前であることにより相続人となった者→その者が当該失踪の宣告に関する審判の確定のあったことを知った日
参照:相続税法基本通達27-4

相続税の申告をする相続人の中に行方不明者がいる場合は、そのままだと遺産分割をすることができないため、家庭裁判所へ失踪宣告の申し立てを行います。

この申し立てによって行方不明の相続人が死亡したものとみなされた日が、申告しようとしていた相続税の相続開始日よりも前だった場合には、行方不明の相続人は相続人ではなくなり、あらたに代襲者が相続人となるケースがあります。

このあらたに相続人となった方の「相続の開始があったことを知った日」は、行方不明となった元相続人の失踪宣告の審判が確定した日です。

つまり、あらたに相続人となった方の相続税の申告期限は、「元相続人の失踪宣告の審判が確定した日の翌日から10ヶ月以内」となります。

 

失踪宣告の取り消し

民法第32条((失踪の宣告の取消し))第1項の規定による失踪宣告の取消しがあったことにより相続開始後において相続人となった者→その者が当該失踪の宣告の取消しに関する審判の確定のあったことを知った日
相続があるまで音信不通で生死不明だった行方不明者が突然現れて相続人になったケースです。
参照:相続税法基本通達27-4

失踪宣告された行方不明者が現れたことにより失踪宣告の取消が行われ、その行方不明者だった方が相続人となった場合の「相続の開始があったことを知った日」は、その失踪宣告の取消の審判が確定した日となります。

 

認知の訴え

民法第787条((認知の訴え))の規定による認知に関する裁判又は同法第894条第2項の規定による相続人の廃除の取消しに関する裁判の確定により相続開始後において相続人となった者→その者が当該裁判の確定を知った日
参照:相続税法基本通達27-4

相続開始後、自分は故人の子だと主張するAさんが訴訟を起こし裁判でその請求を認める判決が出た場合、その裁判の確定した日がAさんの「相続の開始があったことを知った日」となります。

 

相続人の廃除

民法第892条又は第893条の規定による相続人の廃除に関する裁判の確定により相続開始後において相続人になった者→その者が当該裁判の確定を知った日
参照:相続税法基本通達27-4

生前の故人本人または故人の死後遺言などによって遺言執行人が相続人の廃除を家庭裁判所へ申請し、その相続人の廃除が認められた場合には、その相続人の子供が代襲相続人となります。

この代襲相続人の「相続の開始があったことを知った日」は、廃除された相続人の裁判が確定した日となります。

 

胎児

民法第886条の規定により、相続について既に生まれたものとみなされる胎児→法定代理人がその胎児の生まれたことを知った日
参照:相続税法基本通達27-4

故人が亡くなったときにすでにお腹の中に胎児がいた場合は、その胎児は生まれたものとみなされ相続人となります。

胎児であった相続人の「相続の開始があったことを知った日」は、法定代理人がその胎児の出生を知った日となります。

 

幼児等

相続開始の事実を知ることのできる弁識能力がない幼児等→法定代理人がその相続の開始のあったことを知った日(相続開始の時に法定代理人がないときは、後見人の選任された日)
参照:相続税法基本通達27-4

幼児や未成年者が相続人の場合、特別代理人を立てて遺産分割協議をすることになります。

この特別代理人が相続の開始があったことを知った日が「相続の開始があったことを知った日となります。

 

遺贈

遺贈(被相続人から相続人に対する遺贈を除く。(以下「停止条件付の遺贈」において同じ。)によって財産を取得した者→自己のために当該遺贈のあったことを知った日
参照:相続税法基本通達27-4

遺言書などによって財産を遺贈された人は、自分に財産が遺贈されることを知った日が「相続の開始があったことを知った日」となります。

 

停止条件付の遺贈

停止条件付の遺贈によって財産を取得した者→当該条件が成就した日
参照:相続税法基本通達27-4

停止条件付の遺贈とは、「孫が結婚したらこの財産を遺贈する」といったような遺言での遺贈のことです。

たとえばこの停止条件付の遺贈の場合、相続から数年後に孫が結婚(条件成就)した日が「相続の開始があったことを知った日」として取り扱われます。

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相続税の申告は知らなかったでは済まされない

相続税の申告期限は、「その相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内」です。

特殊なケースもありますが、一般的には故人が亡くなった次の日から10ヶ月以内に相続税の申告・納税をする必要があります。

相続税に「知らなかった」は通用せず、申告期限を過ぎてしまうと本来納めるはずの相続税の他に罰金がかかります。

いざ相続が起こると、相続税や相続放棄など、期限があるものも多いので早めに専門家に相談しましょう。

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