まずは死亡届の提出から始めましょう。
相続手続きは人生の中で何度も経験するものでなく、慣れない手続きのため大変です。専門家に依頼して、早く日常生活に戻りましょう。
この記事では、秋田市の税理士 坂根が解説します。
ポイント
相続手続き8選
- 死亡届の提出
- 年金受給等の停止手続き
- 遺言書の有無、財産・借金、相続人がだれになるかを把握
- 限定承認・相続放棄を検討する
- 所得税の準確定申告を行う
- 家族で遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成する
- 名義変更などの手続きを行う
- 相続税申告を行う
秋田税理士事務所では、相続手続きを丸ごとサポートいたします。自分でできないこと、時間がとれなくて手を付けられない場合には、お気軽にご依頼ください。
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相続手続き
1.死亡届の提出
相続とは、人の死亡によって財産などを遺族に引き継ぐ行為です。従って、まず初めに亡くなった方の死亡年月日を正確に把握しなければなりません。
人が亡くなった場合、遺族が7日以内に区役所等に死亡届の提出を行います。死亡届の提出先は亡くなった方の死亡地、死亡した方の本籍地、届出をする方の所在地を管轄するいずれかの市区町村役場です。死亡届が受理されることによって、住民票に死亡した旨が記載されます。
なお、死亡届を区役所等に提出する際は”死亡診断書”若しくは”死体検案書”が必要です。死亡診断書は病院で亡くなり,かつ死亡理由が明らかな場合に医師が作成し、死体検案書はそれ以外の場合に死亡の事実を確認(検案)された後に作成されます。
これらの書類が区役所等に受理されると、埋火葬許可証が発行されるのが一般的です。お葬式を行うためには、この許可証が必要とされています。
なお、この手続きは、葬儀屋に依頼をしていれば指示してくれることが多いでしょう。
2.年金受給等の停止手続き
社会保険関係の手続き
亡くなった方が国民年金、厚生年金を受給していた場合、年金受給者死亡届を提出する必要があります。また、亡くなった方が受給していない年金があった場合、遺族が未支給年金請求書の提出を行うことで、亡くなった方の未支給年金を受け取ることができます。
国民年金は亡くなってから14日以内に、厚生年金は亡くなってから10日以内に、年金事務所で手続きが必要です。
なお、上記の手続きの他、介護保険証、国民健康保険証の返却、世帯主の変更届(世帯主が変更される場合)も行わなければならない点に注意が必要です。
公共料金や預金口座の停止など
預金口座をそのままにしておくと、亡くなった方の預金口座を管理している遺族が無断で引き出しを行いトラブルになるケースがあります。
預金口座を停止(凍結)するためには、銀行に対して名義人の死亡を報告します。預金口座を停止した場合、電話代、電気・水道・ガス料金などの口座振替が全てできなくなるため注意が必要です。
なお、上記の他、亡くなった方が生命保険に加入している場合は保険金の請求を忘れず行うことも重要です。
3.遺言書の有無、財産・借金、家族構成等を把握
遺言書の有無を確認
遺産は相続人の物と思われがちですが、元々は亡くなった方の持ち物です。
つまり、本来は亡くなった方が誰に財産をわけるかの決定権を持っています。したがって、遺言書がある場合は原則として遺言書通りに遺産相続が行われます。
遺言書を探す
まず、亡くなった方が遺言書を作成していたか確認を行います。
亡くなった方がご自身で書いた遺言(自筆証書遺言)の場合、貴重品を保管していた場所(金庫など)を探します。一方、税理士や弁護士のサポートを入れて公正証書遺言を作成していた場合、公証役場に保管されているため公証役場に確認を行います。
なお、自筆証書遺言が見つかった場合は開封前に家庭裁判所に持っていき、検認という手続きを受けなければなりません。検認をせずに勝手に開封すると制裁を科される恐れがあるため注意が必要です(2020年7月10日から、制度が若干変わります)。
ちなみに税理士等のサポートを受けて作成する公正証書遺言の場合、遺言書を公証役場が預かってくれているため、家庭裁判所に持っていく必要が無いので安心です。
遺言書がない場合
もし遺言書が無い場合、後述する遺産分割協議と呼ばれる手続きを行い、相続人(遺族)の間で財産をどのように分けるかを話し合う必要があります。
相続で争いが起きるケースは、遺言書がないため遺産分割協議を行わなければならない場合が一般的です。揉めないため、お元気なうちに遺言書を作成しておくことをお勧めします。
財産を把握する
亡くなった方が持っていた財産や、借金の有無などを確認する必要があります。
具体的には、亡くなった方宛てに届いている郵便物等から確認を行う方法が一般的です。郵便物から、亡くなった方の預金口座、証券口座、金融機関からの借入(借金)などを把握することができます。
なお、もし亡くなった方の借金が見つかった場合、弁護士等と相談の上、すぐに限定承認や相続放棄の検討を行うと良いでしょう(以下で詳しくご紹介します)。
相続人を確定させる
誰が相続人(遺産を受け取る権利がある人)か、必ず確定させなければなりません。
通常、誰が相続人になるかは親族にとって明らかですが、相続人になる人は民法に定めがあり、厳密な判定を要します。
たとえば、亡くなった方に非嫡出子(婚外子)や養子がいる可能性を排除するため、過去の離婚経験等を問わず、必ず亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を確認しなければなりません(前妻との間に子どもがいないか等を確認します)。
この手続きは相続税の申告に必要なだけでなく、不動産の名義変更や銀行口座の解約においても必要です。なお、秋田税理士事務所グループの司法書士や行政書士などの職権で入手可能な資料もあるため、秋田税理士事務所グループでは、これらの資料を代行して入手することが可能です。
4.限定承認・相続放棄
遺産を確認した結果借金が多額にあった場合、亡くなってから3ヶ月以内であれば限定承認、相続放棄という手続きを家庭裁判所で行うことができます。
なお、引き継ぐ財産の範囲内で借金を引き継ぐことを限定承認と呼び、財産も借金も一切引き継がないことを相続放棄と呼びます。3ヶ月以内に何もしなければ自然に財産も借金もすべて引き継ぐことになるため注意が必要です。
多額の借金が見つかった場合、弁護士や司法書士に相談することをお勧めします。弊社にご相談いただければ、相続手続きに強い弁護士、司法書士をご紹介します。
なお、相続放棄は原則として亡くなってから3か月以内に行わなければいけませんが、場合によっては手続きできるケースがありますのでご相談ください。
5.所得税の準確定申告
不動産賃貸を行っていた方(大家さん)や個人事業主の方が亡くなった場合、亡くなってから4か月以内に所得税の準確定申告を行う必要があります。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
関連記事:【相続税申告期限】いつまでに払う?10か月の超短い期限
6.遺産分割協議書の作成
遺言書が見つからず、限定承認・相続放棄を行わなかった場合、遺産は相続人の話し合い(遺産分割協議)によって誰が引き継ぐか決める必要があり、遺産分割協議の結果、相続人全員の合意の証として”遺産分割協議書”の作成を行う必要があります。
なお、遺産分割協議において、万が一親族間で揉めた場合は弁護士に関与していただく必要がありますが、亡くなった方が悲しまないよう穏便に話をまとめることが大切です。
また、相続税は、誰がどの財産を引き継ぐかによって支払うべき税額が異なります。相続手続きサポートをご依頼いただければ、相続税額が少なくなる遺産の分け方をご提示することが可能です。
7.名義変更などの手続き
遺産分割協議書を作成した後は、預金口座や不動産など財産の名義変更手続きを行います。
なお、不動産の変更登記申請は法務局への手続きが必要なため、司法書士に依頼する必要があります。秋田税理士事務所グループの司法書士がやさしくサポートいたしますので、ぜひ安心してご依頼ください。
8.相続税申告(10ヶ月以内)
財産額3,000万円がひとつの目安
相続税は、3,000万円超(家族構成によって異なります)の財産がある場合、遺族に対してかかる税金です。
したがって、財産が3,000万円のラインを下回る場合は相続税の申告が不要であり、税金の支払いも不要です。
ただし、相続税がかかる財産の範囲はとても広く、銀行預金やタンス預金をはじめ、株式やご自宅などの土地,建物、或いは生命保険金も相続税がかかる財産の範囲に含まれます。
つまり、預金が少ない場合であっても、一軒家やマンション等のご自宅を持っている場合、容易に相続税がかかるラインに到達します。
より詳しい内容は下記の記事をご覧ください。
関連記事:相続税はいくらまで無税?いくらからかかる?秋田の税理士が解説
相続税の申告が必要な人は多い
相続税には「小規模宅地の特例」など相続税を下げるための有名な処理が多々あります。
ただし、こういった処理によって相続税がかからない場合であっても、こういった処理を行うためには相続税申告が必要です。
申告を行わなかった場合、余分な税金を支払わなければならないケースもあるため専門家に依頼しましょう。
亡くなった後、相続税の申告は10か月以内に行わなければなりませんが、相続税がかからなかったとしても必要な手続きは数多くあり、ひとりですべて行うのはあまりにも大変です。できる限り早いタイミングで専門家にサポートを依頼することで、家族間の争いを防ぐことや、早く日常生活に戻ることができます。
秋田税理士事務所グループでは、1人ではできないむずかしい手続きを、専門家がやさしく代行いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。
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